購入前に知るべき「家の価値」の守り方
では、どうすれば「住まいとしての資産価値」を守れるのでしょうか。大切なのは、購入時の安さやスペックだけでなく、長期的な視点を持つことです。
1.維持費を含めた予算を立てる
まず、40年後までのメンテナンス費用(修繕や設備の交換)の概算を、住宅メーカーに出してもらいましょう。そのうえで、将来の家計シミュレーションを行い、維持費を払い続けられる予算内で家を購入することが重要です。
2.建物の「本当の寿命」を考える
現在30代なら、90歳まで生きたとして60年間、その家に住むことになります。60年間、大規模な建て替えなしで維持できる品質の建物を選ぶとすれば、初期コストの安さだけを追求すべきではない、という結論に至るはずです。
3.老後に暮らしやすい間取りか
身体が不自由になった際の動線や、手すりの設置スペース、救急隊の搬出経路なども考慮した間取りは、将来の無駄なリフォーム費用を抑えることに繋がります。
「夢のマイホーム」が、将来の家計を圧迫し、家族の選択肢を狭めることになっては本末転倒です。購入時の高揚感だけでなく、数十年後の自分たちの暮らしを冷静に見据え、住まいとしての資産価値を守るという視点を持つことが、後悔しない家選びの第一歩です。
