◆インフレが変えたコンビニのビジネスモデル
インフレに突入してコンビニのビジネスモデルは変化しつつあります。節約志向に傾いた消費者が少しでも安い商品を買い求めるため、コンビニの競合が別ブランドの店だけでなく、ドラッグストアやディスカウントストアになっているためです。足元で大苦戦しているのがセブンイレブン。既存店の客数は2025年7月から12月まですべての月で前年を下回っています。
客数の回復を図るべく、取り組みを強化しているのが店内調理商品の充実。2025年11月から埼玉県の一部店舗で、できたて弁当の販売を開始しました。うなぎのかば焼きやから揚げなど4品目から開始し、状況によっては扱う店舗数を増やすというもの。
セブンイレブンは、ラーメンなどの麺類の店内調理マシンを導入するなど、できたてにこだわった商品開発を進めてきました。揚げたてのカレーパンやドーナツもこの流れの中に入るでしょう。
おいしいものを手軽に食べたい消費者には嬉しい一方で、気になるのはオペレーション負荷が高まること。現場の負担が重くなると、スタッフが疲弊することに加えて、レジの待ち時間が長くなるなどの弊害が生まれます。
人口減少で労働力が失われる日本。手間をかければ現場の負担が重くなり、効率化を進めれば商品力やサービス力が低下する。このトレードオフの関係が鮮明になるなかで、コンビニ各社がどのような取り組みを進めるのか、経営手腕が問われる局面になりました。
<TEXT/不破聡>
【不破聡】
フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界

