「あそこは高く売れるぞ」ドヤ顔で亡き父がのこした一等地の“空き家”…不動産業者が出した〈価格〉と、税理士が口にした〈相続税額〉に60代娘、驚愕

「あそこは高く売れるぞ」ドヤ顔で亡き父がのこした一等地の“空き家”…不動産業者が出した〈価格〉と、税理士が口にした〈相続税額〉に60代娘、驚愕

このままでは相続税600万円…税理士の警告に動揺するAさん

税理士は続けて、「対策としては隣接地の所有者に買ってもらう、公道までの通路となる土地を売ってもらうなども考えられますが、のんびりしていると大変なことになりますよ」と言い始めた。

税理士の説明によると、相続となった場合、空き家の土地は二束三文ではなく、公道に接していると仮定して算出した価格で資産評価されるという。

税理士の見積もりでは土地の評価額はざっと3000万円。母名義の現金と自宅不動産だけで相続税の基礎控除の枠を超えている。空き家の土地も相続税の対象となるのは確実だ。

「今のまま姉妹で空き家を相続した場合、税率が20%だと仮定すると600万円の相続税が発生します」と警告されてしまった。

自分も妹も自宅があり、これから空き家を使う予定はない。売っても二束三文。おまけに母が亡くなると600万円の相続税が発生すると聞かされたAさん。慌てて妹に電話をすると「お姉ちゃんに任せた!」母は「お父さんは価値があると言ってたんだけどねえ」と頼りにならない。

「二束三文でも、お母さんが元気なうちに手放しておいた方がいいかもしれませんね」という税理士のアドバイスを真剣に検討している。

【解説】“負動産”を相続するなら、親が元気なうちに調査を

ADVISER:ジーマック松木事務所 代表取締役
税理士・特定社労士・行政書士・宅建士
松木 昭和さん

不動産の場合は“負”動産とか“腐”動産と書いたりしますが、プラスじゃない相続財産は生前に処分とか処理をしておかないと相続人に思わぬ負担を強いることになります。

お父さんが残した貸家も原野などと同じ負動産の典型です。駅前の利便性の高そうな土地なので、リフォームして住むことは可能でしょう。ただ、担保価値はありませんからローンは組めません。数千万円の手持ち資金をつぎ込んでまで袋地を買おうという人はまずいません。賃貸経営のノウハウと資金があるなら、リフォームして貸す手もありますが、Aさんにはハードルは高いでしょう。

どうして接道しなくなってしまったのか。恐らくお父さんがその家を買った後に土地に関わる何らかのトラブルがあったのだと思います。お元気だった頃にその経緯を調べて、確定測量図などを作っておけば処分も多少は楽だったはずです。

不動産の相続にまつわるトラブルは枚挙にいとまがありません。共有地や道路の使用権、掘削許可の有無など、現場ではいろいろな問題が出てきます。相続予定の不動産があるなら、親が元気なうちに信頼できる不動産業者、不動産に詳しい相続の専門家などに依頼して、価値や処分方法などを調べておいた方がよいでしょう。

測量して隣地との境界を確定しておくのも有効な準備ですが、測量を邪魔する隣人、境界確定の書類に押印を拒否する隣人などは珍しくありません。生前の父ならはんこを押したかもしれないが、娘が来ても拒否ということもよくあります。気になる土地があるなら、専門家への相談をお勧めします。

日経マネー(編)

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