◆選択と集中。コアブランドへの投資配分を明確化
同社は再浮上への施策としてグローバルで250億円のコスト削減(2026年)を行い、コアブランドの「SHISEIDO」「クレ・ド・ポー ボーテ」「NARS」、ネクストブランドの「エリクシール」「アネッサ」「フレグランス」等、そして次世代ブランドの役割を明確化して戦略性に沿った投資配分を徹底し、28年までに10以上の最新技術をブランドへ搭載して間断なく発売していく方針だ(「2030 中期経営戦略」より)。昨年10月には、敏感肌向けスキンケアシリーズ「dプログラム」の商品ラインナップを刷新して従来より約1割低い価格設定としたが、資生堂にとっては異例の値下げとなった。「dプログラムの値下げはドラッグストアやスーパーなどで幅広い年齢層の消費者に手にとってもらうことが狙いとみられるが、現在の資生堂は中価格帯で強い商品がなく、高価格帯の商品で勝負しなければならないのが課題」(同)
◆TSUBAKI、シーブリーズも…主力ブランド放出の誤算
同社は20年12月期に最終赤字に転落したことを受け、経営改革の一環として中価格帯とされる日用品事業の切り離しを断行。ヘアケア商品「TSUBAKI」、男性用ブランド「uno(ウーノ)」、ボディーケアブランド「シーブリーズ」といった一般消費者向けに訴求力の高いブランド群を欧州系ファンドに売却した。「国内市場に限っていえば、化粧品・スキンケアはとにかく競合商品が多く、消費者も低価格品を追い求める傾向が強まっているので、高価格帯で勝負してきた資生堂にとってはますます厳しくなってくる。値下げした『dプログラム』も敏感肌向けスキンケア商品でトップの花王『キュレル』のほうが安くて人気が高く、追いつくのは難しい。より一般消費者に近いアイテムである日用品事業を手放したことが、結果的にボディーブローのようにきいてくるかもしれない」(同)

