結婚などのライフイベントをきっかけに、20代のうちから将来の住まいについて考える人は少なくありません。「買うとしたらいくらの物件?」「持ち家と賃貸、結局どっちがお得なの?」と悩みは尽きないでしょう。
そこで本記事では20代後半の共働き世帯をモデルに、住宅ローンを組む際の無理のない借入額を試算しました。あわせて賃貸物件との比較や、超長期ローンの留意点についても紹介します。
20代の平均年収でマンションは買えるのか?
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結論から言うと、20代の平均年収では首都圏・地方問わず都市部の新築マンションの購入は難しいと考えられます。
まず、現在のマンション価格の水準は以下のとおりです。
【新築マンションの価格水準】
・東京23区:1億円以上
・首都圏平均:約8000万円
・主要地方都市:5000~6000万円
一方で、20代共働き世帯の現実的な住宅ローンの借入額は3000万円前後です。この金額はペアローンの利用を想定しています。ペアローンとは夫婦それぞれが住宅ローンを個別に契約する方法で、借入可能額を増やせる点がメリットです。住宅金融支援機構の調査によると20代の住宅ローン利用者のうち、実際にペアローンを選ぶ割合は4割以上を占めています。
それでも、マンション価格と現実的な借入額を踏まえると、20代では首都圏や地方の主要都市にある新築物件には手が届きにくいと言えます。よって、中古マンションが選択肢となる可能性が高いでしょう。
一般的に言われている借入可能額
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住宅ローンは「いくら借りられるか」よりも「いくら返せるか」を基準に考えます。
J-FLEC(金融経済教育推進機構)では、年間の返済額を年収の25%以内に抑えることを目安としています。
また国税庁『民間給与実体統計調査』によると、25~29歳の平均年収は男性で438万円、女性は370万円です。世帯年収として合算すると約800万円、手取り年収にすると約624万円です。
この平均年収をもとに、一般的な借入可能額をシミュレーションしてみましょう。
平均手取り年収624万円のうち25%を返済にあてるとすると、月々の返済額は624万円×25%÷12カ月=13万円です。
住宅ローン金利は0.7%で考えてみます。これは現在の変動金利がおおむね年率0.5~1.0%の水準にあるためです。
返済期間は35年、元利均等返済と仮定すると、借入可能額は約4841万円となります。
「5000万円近く借りられるじゃないか」と思ったかもしれませんが、この金額は借入可能額といってもかなり楽観的な見積もりです。
実際には返済負担を重く感じやすい上、近年は変動金利も上昇傾向にあるため、もう少し控えめに見積もっておくほうが無難だと言えます。