〈資産6,000万円〉を折半して「卒婚」→海沿いの別荘を“キャッシュ一括”購入。自由を手にしたハズの元エリート会社員(67)の人生が“崖っぷち”な理由

〈資産6,000万円〉を折半して「卒婚」→海沿いの別荘を“キャッシュ一括”購入。自由を手にしたハズの元エリート会社員(67)の人生が“崖っぷち”な理由

「卒婚」で手にした自由は崖っぷちだった

かつて、佐藤さんは冗談めかして妻に尋ねたことがあります。「もし俺の貯金が底を突きそうになったら、助けてくれるかい?」

返ってきたのは、突き放すような冷徹な回答でした。「財産分与は済ませたでしょう。私たちはもう、それぞれ自分の生活を守る責任があるのよ」

離婚届を出していないだけの「赤の他人」。それが、自由を求めて佐藤さんが選んだ関係の正体でした。病気になっても、介護が必要になっても、頼れるのは自分の切り離した口座の残高のみ。

「万が一のときは、この別荘を売ればいいと考えていました。でも、もし売れなかったら? そのとき、私はどこで誰に看取られるのか……」

自由を手に入れたはずの佐藤さんの背中には、自らが選んだ「自己責任」という名の重い十字架がのしかかっていました。

「経済的に自立したはずが、ただ自ら崖っぷちに立っただけの愚かな選択だったとは……」

卒婚が引き起こす経済的なリスク

総務省の「家計調査(2024年)」によると、65歳以上の無職世帯(単身)における住居・光熱・家具用品などの「家庭維持費」は月平均で約4.5万円ですが、二拠点生活を維持する場合、この固定費が単純計算で2倍(約9万円〜)かかる計算になります。

佐藤さんのように、維持費だけで月15万円を要するケースでは、年金月28万円という比較的高水準な収入があっても、その半分以上が固定費だけで消えていくことになります。 このような構造は、一般的な単身世帯よりも資産寿命を著しく早める要因となるでしょう。

また、国立社会保障・人口問題研究所の「世帯数の将来推計(2024年)」では、「単身世帯」の増加が加速し、2050年には全世帯の4割を超えると予測されています。佐藤さんの「卒婚」は実質的に「単身世帯」を二つ作る行為であり、夫婦が同居していれば抑制できたはずの光熱費や維持費が「個別発生」します。

それにより、一人あたりの老後資金の必要額を1.5倍〜2倍に跳ねあげ、家族による介護という無償のセーフティネットも喪失させている点は、自己責任の範疇を超えた大きな課題といえるでしょう。

[参考資料]

総務省「家計調査報告(家計収支編)2024年(令和6年)平均結果」

国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)2024年推計」

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