長く楽しむためのワンポイント

冬はお部屋の暖房で空気が乾燥しがちです。
ラン類は乾燥に弱いため、時々霧吹きで周囲の空気を潤すように水をかけてあげると、みずみずしさが長もちします。その際、ベースのファー部分に水がかからないよう、少し離してスプレーしましょう。ファーは濡れると劣化の原因になるため、水替えの際も注意が必要です。
幸せの子ブタ

片付けをしていたら、引き出しの奥から小さなピンクの子ブタが顔を出しました。
「これ、たしかハンガリーの……」
そう思いながら眺めていた夜、偶然観たテレビ番組でドイツやハンガリーの「幸せの子ブタ」の話が紹介されていました。その瞬間、忘れていた大切な記憶が鮮やかに蘇ってきました。
あの子ブタは、ブダペストに駐在していた頃、郊外の街センテンドレにあるマジパンの名店「サモシュ(Szamos)」で出会った子ブタでした。

初めてその街を訪れたのは、雪がちらつくとても寒い冬の日。
慣れない異国での暮らしに、ちょっとホームシックになりかけていた私を元気づけようと、夫が連れて行ってくれたのがセンテンドレでした。

白く染まり始めた石畳の道、パステルカラーの可愛らしい家並み。そして、まるでおとぎ話の世界のようなサモシュの店構え。店内に並ぶ繊細なマジパン細工と甘い香りに、沈んでいた気持ちがパッと明るくなったのを覚えています。その時に手にして買ったのが、このピンクの子ブタでした。
それ以来、センテンドレは大のお気に入りの街になり、日本から友人が遊びに来るたびに案内して回ったのも今では楽しい思い出です。

そうそう、ピンクの子ブタは、ドイツやハンガリーで、新年に幸運を願って贈ったり贈られたりするマジパンのお菓子などでも有名。ピンクの子ブタはラッキーアイテムなのです。
片付けの最中にふと現れて、懐かしい街の風景を思い出させてくれたピンクの子ブタさん。まさに今、ふたたび私にささやかな幸せを運んできてくれたような気がします。
Credit 写真&文 / 海野美規 - フラワー&フォトスタイリスト -
うんの・みき/フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。
