
民泊物件が愛されるには、見た目・デザインも重要な要素です。しかし秀逸なデザインを目的に優秀なデザイナーを雇うと“ビジネスとしての側面”を度外視したオーダーが提案されることも……。本記事では、生稲崇氏の著書『民泊旅館投資サバイバル大全』(扶桑社)より一部を抜粋・再編集して、わずか3年で年間CF1000を達成し、見事FIREを実現した民泊旅館投資のプロである著者が、デザイナーに委託する場合の注意点について解説します。
“ビジネスのためのデザイン”感覚がないデザイナーには注意
これは、私が東京で所有する物件で実際にあった話です。外構の面積が広いため「雰囲気よくライトで照らして欲しい」と依頼しました。すると、1つ8万円ほどの照明を10灯も並べるような提案があがってきました。それが外構だけならともかく、すべての照明がその価格帯で揃えられており、現実的なコスト感覚とはかけ離れていました。
他にも、河口湖の物件で壁に飾る絵の選定を依頼したところ、予算を伝えてあったのに20万円もするアート絵画の提案がありました。私はインターネット通販で購入できる数千円の絵を想定していたのですが、この辺は感覚の差が大きくて難しい部分です。
もちろん、あらかじめ伝えた予算内で対応してくれる人もいますが、「金も持ってないなら依頼すんな!」と怒る人もいます。空間デザイナーはゼネコンや富裕層など、潤沢な資金を持つ顧客を相手にした案件経験者であることが多く、我々のような個人投資家の僅かな資金に沿った提案を理解してくれる人は少ないのが現状です。
最近はコスト管理のために、インテリア備品は基本的に調達先をamazonや楽天などに限定して発注管理するルールを設けることも行っています。照明器具なども上限金額を設定し、それを超える場合は承認が必要というルールを設けています。
実現可能な“創造性”を提案してもらう心がけ
デザイナーは「円形のものにしてください。丸い輪のアーチを壁に付けて、そこを間接照明で照らしましょう!」と簡単に提案してきます。確かに実現すれば美しい造形でしょう。しかし、「これ、どうやって造作するの?」と問えば、「いや、それは職人さんの分野で、私たちは分かりません」と答えるのです。
基本的にカーブをつくるのは難しいもの。造作が複雑で手間もコストもかかり、メンテナンスがしにくい現実的ではない提案でした。
私たち投資家にとって都合がいいのは、造作がシンプルかつ施工が再現できて、その上で美しく、掃除しやすく、コストも低いものだから、これでは投資家の意向とは真逆になってしまっています。
