報道によると、男性はすでに出国しており、マトリは薬物の所有者が誰なのかを慎重に捜査してきたとされる。米倉さんは2025年12月、自身の公式サイトで「自宅に捜査機関が入ったことは事実」とした上で、捜査に全面的に協力してきたこと、現時点で「一区切りついたと認識している」とコメントしている。今後、起訴するか不起訴とするかは、東京地検の判断に委ねられる。
こうした一連の経緯を踏まえ、書類送検とは何を意味するのか、自宅から薬物が押収された場合に誰の責任が問われるのか、同居・半同棲の関係にあった場合の法的評価などについて、弁護士に詳しく聞いた。

◆「書類送検=軽い処分」ではない? 逮捕・起訴との決定的な違い
結論から言えば、書類送検は「身柄拘束をしない捜査手続き」にすぎず、有罪・無罪を決めるものではない。書類送検、逮捕、起訴という用語は混同されがちだが、アディーレ法律事務所の南澤毅吾弁護士によると、「逮捕とは、逃亡や証拠隠滅のおそれがある場合などに、身柄を拘束して捜査を行う手続きです。一方、書類送検とは、身柄を拘束することなく、捜査書類のみを検察に送ることを指します」と説明する。つまり、犯罪の嫌疑があったとしても、必ず逮捕しなければならないわけではない。そして「起訴とは、検察官が裁判にかけると判断することを意味します。逮捕された事件・書類送検された事件、どちらも必ず起訴されるわけではなく、不起訴となるケースも多いです」とのこと。
南澤弁護士は「逮捕されているから必ず有罪になるわけではないですし、書類送検だから実刑にはならないともいえません」と強調する。
◆自宅から薬物が出たらアウト? 警察が最初に疑うポイント
薬物が自宅にあっただけで即アウトではないが、「知っていたかどうか」で結果は大きく変わる。自宅から違法薬物が発見された場合、どのような責任が問われるのだろうか。「当たり前ですが、居住者が自分の意思で、薬物として認識・保管していたのであれば、麻薬の『所持』が成立し、麻薬取締法違反が成立します」と南澤弁護士は説明する。
問題は自分ではなく誰かが勝手に薬物を置いていたケースだ。
「法律上は、仮に薬物が他人のものであって、居住者がその存在を全く知らなかった場合には、罪に問われることはありませんが、たとえ薬物が他人のものであっても、居住者がその存在を知り、管理や使用を黙認していた場合には、法律上の『所持』とみなされます。例えば同居人が覚醒剤を自室の隣の部屋に置いていたことを被告人が知っていた場合、黙認していたとして間接占有が認定され、所持罪が成立します」
現実の捜査では「麻薬は他人のものだ」という弁解は珍しくない。「『他人に騙された』『他人の薬物だから知らない』というのは、いわば薬物犯罪においては、容疑者側の反論の常套句です。警察も文字通りに受け取ってはくれません。自宅から違法薬物が見つかった時点で、仮にそれが他人のものであっても、逮捕され、警察から厳しく取り調べを受ける可能性は高いです。真犯人との関わりが深ければ、所持を黙認していたとして、間接占有が成立し、有罪となるリスクもあります」

