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「資産数億円」でもアーリーリタイアを選ばない富裕層…成功が続く人に共通する行動【富裕層専門税理士が解説】

「資産数億円」でもアーリーリタイアを選ばない富裕層…成功が続く人に共通する行動【富裕層専門税理士が解説】

圧倒的な努力と行動量でやり抜いた経験がある

どんなに成功している富裕層にも、「圧倒的にがんばった時期」があります。

誰かに任せていたわけではなく、自分で汗をかき、自分の手で選択し続けてきた日々が、彼らの今を支えているのです。

「20代の記憶は、膨大な努力を要するビジネススクールでのMBA取得のとき以外は、とにかく働いていたことだけ」という話を聞いたこともあります。また、「何よりも仕事を優先させて長時間働くのは当たり前だった」「プライベートの予定はしょっちゅうキャンセルしていた」といった話は、多くの富裕層に共通したエピソードです。

心理学者でペンシルベニア大学教授のアンジェラ・ダックワース氏は、長期的な成功を決定づけるのは才能ではなく「やり抜く力(GRIT)」だと指摘しています。やり抜く力が高い人ほど成功の確率は高く、しかも才能とやり抜く力には明確な相関関係はないというのです。

つまり、誰もがこの力を意識的に鍛えれば、富裕層と同じように成果を積み上げることができるのです。

富裕層で「何かをやり抜く」という経験をしたことがない人はいないでしょう。その努力は、資金や人脈といった資産だけでなく、決断力、耐性、集中力といった見えない自分資産を、確実に育てていたのです。思い通りにならないことが多い中、想定外の出来事にも耐えられるストレス耐性、そしてそれらを成功へと結びつける行動力──これこそが彼らを支える原動力です。

投資で資産を増やしている人も多くいますが、その原資も最初からあったわけではありません。ゼロから積み上げた努力が成功を生み、その成果として資金が生まれたのです。

■教訓2

才能ではなく「やり抜く力」が成功を決定づけます。圧倒的な努力と行動を積み重ねることで、見えない自分資産が育ち、将来の大きな成果へとつながっていきます。そして、簡単にできることでも実際に行動に移す人とそうでない人とでは、人生に大きな違いが生まれるのです。

失敗を恐れず、挑戦という名の「打席」に立ち続ける

富裕層というと、生まれたときから恵まれた道を歩んできたと思われがちですが、実際にはそうではありません。大きな失敗や挫折を経験していない人はほとんどいません。

ファーストリテイリング創業者・柳井正氏は、著書『一勝九敗』(新潮文庫)で、何度も失敗し、それでも挑戦をやめなかった人だけが、意味ある成功を摑めると語っています。

彼らは結果が思い通りにならなくても、立ち止まることは決してなく、「失敗」を挑戦のプロセスの一部として受け止めているのです。

そしてその経験を糧に、何度でも打席に立ち続けます。その結果として、

状況に合わせて戦略を切り替える柔軟な発想と、次の挑戦へ踏み出す行動習慣が身についているのです。

ある経営陣の一人として長年関わっていたお客様が、自ら命を絶つという重い出来事がありました。筆者にとって初めての経験で、しばらくは胸の奥が締めつけられる日々が続きました。その方の上司であり、会社の代表を務め、経営の現場で厳しい状況を数多く経験してきた方が、かつて筆者にこう語ってくれたことがあります。

「森田さん、組織というのは、これが完璧、正解という状態はないんだよ」

起業間もない筆者は、その言葉の意味を十分に理解できませんでした。

しかし、その後、多くの組織に関わり、経営の浮き沈みを目の当たりにする中で、ようやく腹落ちするようになったのです。

組織は外部環境や人の変化によって形を変え、思わぬ出来事も起こります。だからこそ、経営者には、状況がどう変わっても対応できる柔軟さと覚悟が求められます。そのため、

富裕層はプランBを持つことに長けています。

打席に立ち続ければ、必然的に失敗や想定外を経験します。その過程でさまざまな可能性を想定する思考習慣が身につき、耐性や柔軟性、対応力が上がっていくのです。

ある経営者は、自らの経験をこう語ってくれました。

「やる前にあれこれ悩むよりも、その時間とエネルギーがあるなら、思い切ってドアを開けて踏み込み、行動しながら考えた方が充実します。そこで経験する失敗や悲しい出来事、うまくいかないことは、将来もっと大きなドアを開け、さらに大きな世界へ踏み込むための足場や階段になります」

富裕層は例外なく、成功の数よりも失敗から立ち上がった数の方が多い人たちです。彼らは失敗の数ではなく、そこから得たものを糧にし、それを資産として積み重ねています。

ある経営者は、資金難で諦めかけていたとき、偶然入った本屋で再会した投資家に支援をお願いし、状況を一変させました。これは非常時に思いついたアイデアではなく、日々ストック支出をして築いてきた「見えない資産」の一部が形になった瞬間です。

見えない資産とは、日々の学びや経験、人との信頼関係、思考の幅や判断力といった、数値化できない蓄積のことです。これらはすぐに成果を生まなくても、ある日突然、大きな場面で力を発揮します。挑戦を続け、経験を積み重ねること自体が、この「見えない資産」を育て、将来の自分を守る大きな武器になるのです。

知識・情報・教養への投資は、いつ役に立つかはわからなくても、確実に選択肢と対応力を広げます。

新しいことに挑戦するときに「これは何に役立つのか」と計算する必要はありません。むしろそう考えない方が、挑戦の幅は広がります。「やってみたいな」と思ったら、その体験には支出を惜しまないことです。そうした積み重ねこそが、いつでも大リーグの打席に立てる準備になるのです。

■教訓3

挑戦することで得られるのは、「耐性」や「柔軟性」。失敗や想定外の出来事そのものが人を強くします。失敗を恐れず、何度でも打席に立ち続けること。それが「見えない資産」を育て、どんなアクシデントにも対応できる力を生み出すのです。だからこそ、数回の失敗で落ち込む必要はありません。早合点して諦めないでください。

森田 貴子

株式会社ユナイテッド・パートナーズ会計事務所

パートナー・税理士

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