
外の世界に出ると、当たり前だけど色々な人間がいる。私の本格的なスタートはある意味ライターデビュー以降の人生で、現実を知ったのもいい歳になってから……といっても過言ではない。
◆元セクシー女優の元に届く“詐欺案件”
まず初めにめちゃくちゃ嫌だったのが、ビジネス目的で近寄ってくる輩があまりに多いこと。俗に言う“やばいヤツ”が謎のサプリや投資とか、事務所・メーカーの設立やらを提案し「君の肩書を活かして一緒にやろう!」と言い出すのだ。事務所やメーカーなら元女優を活かせる部分はあるものの、裏方経験がない人間からすればハードルは高い。そしてサプリや投資は本当に意味がわからず、明らかに女優界隈や夜職の人間をカモにするのが狙いであろうグレーな話もいくつかあった。簡単に言うなら、ほぼ詐欺だ。
元女優の肩書は注目されやすいので、民衆の目を引くために私たちのような存在を利用したい輩はこの世に多く存在する。うまくいくかは別の話だし、たまに「出資して」という「明らかに何かが起きればドロンする気満々」なパターンも多い。使うだけ使って後はポイ、そんな“見下し”が見え透ける相手に声を掛けられるのが、最初は苦痛だった。
◆表向きは笑顔、裏では悪口の「全肯定マン」
セクシー女優の中には、超ピュアな人がいる。他人を疑うことを知らない子、ただの世間知らずなど、一口に“ピュア”と言ってもタイプは様々なのだが、私は前者と後者の要素をミックスしたアホだった。よって、相手の心を正確に読み取るのが昔は苦手だったのである。以前、元女優だったことを知ったある女性に、この仕事をしていたことについて褒められることがあった。女性からは偏見の目を向けられる機会が多いため、私も警戒するものの、あまりに肯定してくるので「こんな人もいるのか」と勝手に感動してしまったのだ。
しかし、褒め言葉など表向きのものにしか過ぎず、のちに裏で悪口三昧だったことが発覚。「やばいよね、どのツラ下げて生きてるのか」的なニュアンスの発言をしていたようで、めくれた時に大ショックを受けた。たぶん私に密告してきた人も、その時は一緒になって悪口に加担している可能性が高かったことから、私は軽く人間不信へと陥った。
結局のところ、彼女たちも変なビジネスを持ちかけてくる輩と根本は同じ。うっすらと見下す気持ちを持つからこそ、褒めておけば図に乗ると判断するのだろう。この件で「全肯定マンほど警戒すべき」「元女優という肩書きはハンデになり得る」という当たり前の学びを得たのだった。

