◆初WBC捕手陣にのしかかる重責
野手陣に一抹の不安があるとすれば、その捕手と外野手ということになりそうだ。“扇の要”と呼ばれる重要なポジションを任される坂本と若月の2人だが、先述したようにどちらもWBCには初めての参戦。第3の捕手として経験豊富な中村悠平が選ばれる可能性もあるが、おそらく坂本が正捕手の最有力候補ということになりそう。
坂本は昨季、プロ10年目にして初めて正捕手の座をつかんだ苦労人だ。打撃面には不安を残すが、司令塔としてリードには定評がある。昨秋に行われた韓国との強化試合では、本番で適用されるピッチクロックとピッチコムも経験。短い投球間隔に苦しんだようだが、自ら“パワプロ風”の球種設定を発案するなど、対策に余念がなかった。
◆外野守備は連覇への最大の不安材料に
むしろ捕手陣以上に不安を抱えているのが、外野陣かもしれない。今のところ、近藤、周東、森下の3人がメンバー入りしており、これに鈴木誠也と吉田正尚のメジャー組が加わるとみられる。実績を考えれば、近藤、鈴木、吉田の先発が濃厚だが、そうなるとポジション問題が発生する。
近藤と吉田は昨季、それぞれのチームで主に指名打者(DH)を務めており、守備範囲には大きな不安が付きまとう。しかも、そのDHにはチームの要を担う大谷がいるため、2人の打撃を生かすためにも守備に就くことが求められる。
おそらく近藤と吉田の2人が両翼に入り、鈴木がセンターを務めることになるとみられるが、鈴木にとってもセンターは本職ではないポジション。広島時代は名手のイメージもあるが、メジャーでは“守備失格”の烙印を押されるほど。3人の打力と引き換えに、外野の守備は大きな不安を抱えることになるだろう。
また、残る2人のうち森下は大学時代にセンターを守っていたが、プロでの出場は2023年の阪神での6試合だけ。守備範囲の広さなら周東に任せたいところだが、足のスペシャリストとして試合終盤の代走起用がメインとなるだけに悩ましい。

