◆プライベートへの介入で、組織の活力が失われるか
ここ数年、生保業界では不祥事が絶えない。20年には第一生命保険の元特別調査役による約19億円の金銭詐取事件が発覚。女性は計24人の顧客に架空の金融取引を持ちかけていた。23年には、日本生命保険の元営業職員が90代の女性に架空の保険契約を提案して約1532万円をだまし取っていた事案が発覚。24年6月には、明治安田生命保険の元営業職員が顧客10人から約1億3000万円をだまし取っていたことが発覚。25年3月には大樹生命保険が、元営業職員が顧客から約8130万円を詐取していたと発表。同12月には明治安田生命保険が、元営業職員が約2億円の詐取を行っていたと発表した。プルデンシャル生命は再発防止策として前出報告書内で「営業報酬制度等のインセンティブの仕組みの抜本的改善」「営業社員が、いつ、どこで、どなたに対し、どのような営業活動を行っているのか、を適時、適切に把握・管理する態勢を強化」などをあげているが、元社員はいう。
「プルデンシャルの競争力の源泉は完全歩合制に基づく高い報酬なので、その報酬制度が大きく変更されることになれば、社員のモチベーションは大きく低下することになるし、優秀な営業担当者は高い報酬が得られる別の会社・業界に転職していくだろう。
また、同社の営業担当者は顧客とゴルフに行ったり飲みに行ったりといったことも含めて、休日・深夜いとわず、さまざまなかたちで顧客との人脈を構築することで契約に結びつけているので、たとえばプライベートでの過度な交際を制限するなど、陰の営業活動を管理したり制限すれば、同社の競争力を大きく損なうことにつながる。
富裕層や高収入層の多くにはすでにプルデンシャル、そして他社の保険会社がべったり張り付き、なかなか新規顧客の開拓が難しくなりつつある。加えて、金融商品の多様化で生保商品以外の選択肢も増えるなかで、プルデンシャルの置かれる状況はますます厳しくなってくるのは確かだろう」
近く行われる予定の会見でプルデンシャル経営陣が何を語るのかが注目される。
<TEXT/山田浩二>
【山田浩二】
飲食チェーンや学習塾、小売り企業を経てIT企業でシステム開発業務に従事。現在はフリーのライターとして主に企業・ITなどのジャンルに関する取材・記事執筆を行っている。

