今週のテーマは「結婚後わずか8ヶ月で離婚した理由は?」という質問。さて、その答えとは?
▶【Q】はこちら:結婚後8ヶ月で離婚…家計を1円単位で管理してくる夫に対し、28歳女が別れを切り出したワケ
交際期間1年、結婚生活わずか8ヶ月。あっけなく、私たちの結婚生活は終わりを迎えてしまった。
「今までありがとう、真一」
「うん。綾もお元気で」
もう他人同士になった私たち。
子どももいない私たちは、今後会うこともないだろう。
自分の荷物がすべてトラックに搬入されたのを見届けてから、私はタクシーに乗り込んで、ひとりで暮らすことになる新しい家へと向かう。
1年付き合ってからの結婚だったから、彼のことをある程度知っていると思っていた。でも実際に結婚してみると、“彼氏と夫は違う”ということを痛感した。
真一とは、友人の紹介で出会った。
「めちゃくちゃイケメンとかではないけど、将来有望で、いい人だよ!」
友人の説明通り、正直、顔はカッコいいとは言えないかもしれない。でも、男らしくてまっすぐな真一に、私は強く惹かれたし、真一も私のことを好きになってくれた。
「実はさ。将来、家業を継ぐために横浜へ帰らないといけないかもしれなくて。もしそうなっても、綾は付いて来てくれる?」
告白と同時に、こんなことを言ってきた真一。将来を真剣に考えていてくれることが嬉しくて、私は強くうなずいた。
「もちろん!私は、どこでもついていくよ」
「ありがとう、綾」
こうして、晴れて交際することになった私たち。真一は、人材派遣の会社を経営していたのだけれど、当時は、独立したばかりだったこともあり仕事の話もよくしてくれていた。
「最近、事業の調子が良くて。社員も一気に増えるし、投資してもらえる額もいい感じなんだよね」
「そうなんだ!すごいね」
事業も、順調そうだ。
「来年は売り上げが倍になりそうだし…2年後には、年商10億超えはいけると思うんだよね」
「そうなの?すごくない?」
27歳で独身の私からすると、パーフェクトな相手だったと思う。お金持ちで、優しくて、経営者で…。
ただし一つだけ、心配なことがあった。
それは、真一が意外にもお金に対してシビアなことだった。
例えばデートへ行った時のこと。素敵なレストランを予約してくれていた真一に、私は素直に感謝の意を述べた。
「こんな素敵な所に連れてきてくれるなんて…ありがとう!」
「喜んでくれてよかった」
この時の私は、恥ずかしながら真一にご馳走してもらえるものだと思っていた。でもお会計の際に、真一は伝票を見て、何か考えている。
「どうしようかな。4万8千円だから…綾、端数分だけもらってもいい?」
「え?」
正直、驚いた。でも総額に比べて、私の割合は微々たるもの。それに、多めに支払ってもらっていることに変わりはない。
「もちろん」
そう言いながら支払ったものの、どこかスッキリしない気持ちが残る。ただ、お金持ちの方々と結婚した諸先輩の話を聞いていると、「結婚前の割り勘は、進んで支払え」と聞く。
だから私も、内心とは裏腹に、笑顔で応じた。
「むしろ、多めに支払ってくれてありがとう」
それに私も、ちゃんと仕事をしている。だからこれは問題ないこと。ただ、これと同時にもう一つだけ不安が残った。
― もしかして、事業が上手くいってないのかな…?
でも、本人は「経営はとても順調」と言っている。だから私はそれを信じるしかないし、疑う理由もない。
「綾といると、楽だな。金銭面で、ノーストレスだし」
「前までの子は違ったの?」
「うん。当然のように支払いを僕に回してくる子ばかりだったから。でもさ、それって平等じゃないよね」
こう言われると、何も言えない。だからこの先も、たまに出てくる割り勘にも耐えていた。それに結婚すれば、少しは変わると期待も抱いていた。
それよりも、実はもう一つ、結婚前からとても気になっていたことがあった。ただそれが、結婚したら顕著に出てしまった気がする。
今から考えると、「どうしてあの小さな違和感を無視してしまったのか」と後悔しかない…。
小さな私のモヤっとはあったものの、結局、大きなケンカもなくそのままプロポーズとなった私たち。
しかし、いざ結婚の挨拶となった時に、とても驚いたことがあった。
彼の実家は、横浜だと聞いていた。しかし実際のご実家は相模原だったのだ。
― これって…育ちの家が相模原ってこと?
「真一のご実家って、相模原なんだね。横浜かと思ってた」
「そうだよ。二人の実家が、遠からず近からずで助かるね」
たしかに交際する時に、“横浜”と言っていた。横浜と相模原は一緒なのだろうか。いや、微妙に違う気がする。
ただ本人が育った場所なのかもしれないし、お父様の会社は横浜にあるのかもしれない。それに私が知らないだけで、相模原も横浜と言うのかもしれない。
でも実際にご両親にお会いして色々と話を聞いた結果、会社も育ちも横浜ではなく高尾山に近い相模原市だった。
私からすると、相模原市でも、横浜でもどっちでもいい。どちらも素敵な場所だと思うから。
― 別に誰も傷つけてない嘘だけど…。なんかザワザワするな。
小さな違和感はあったものの、結婚の話はどんどん進んでいくし、後戻りはできない。結局籍を入れた私たちだけれど、やっぱり、結婚後に抱いていた違和感はさらに大きくなっていった。
ちなみに、結婚しても真一がお金に対してシビアなことに変わりはなかった。生活費を1円単位で細かく真一はスプレッドシートで管理していた。
「綾。今月の生活費、スプシに入れといてね」
「わかった」
ただ結婚したら、財産は二人のもの。それに私も仕事をしているので、これは逆に結婚したら気にならなくなった。
それよりも、もっと許し難いことがあった。
一緒に暮らし始めてわかったことだけれど、真一は出身地のことのような、“微妙な嘘”をつく。
それはとても些細なことで、気にならない人は気にならないかもしれない。
「今夜は接待で遅くなるかも。大事な投資家の人たちとご飯で」
「投資家?何の?」
「事業のだよ」
でも小さな嘘が積み重なっていくと、すべてが胡散臭く聞こえてしまう。
― 本当に投資家なのかな…。女の子とご飯とか?
そう私が疑ってしまうのには、理由がある。
なぜなら、真一の話がどこまで真実で、どこまでが嘘なのかよくわからないから。
「そうなんだ。ところで結婚する前に話していた売上目標、その後どう?順調?」
「何の話?」
「ほら、『2年後には、年商10億超えはいけると思う』って言ってたじゃない」
「違うよ、1億でしょ?」
そんなはずはない。確かに「10億」と言っていた。
でも、それも私からするとどっちでもいい。どうして正直に言ってくれないのだろうか。そもそも嘘をついてまで、自分を大きく見せようとする時点でダサい。
「そうだっけ?とりあえず、今日の接待頑張ってね」
きっと、真一の中で嘘をついている自覚がない。これが、一番怖いなと思った。
小さな嘘だし、誰も傷つけないから良いと思っているのだろう。でも小さな嘘をつく人は、いずれ大きな嘘をつく。しかも罪悪感もなしに、平然と嘘を言い放つ。
そう考えると、真一が小さな嘘を重ねるたびに怖くなり、存在自体もどんどん小さく見えてくる。
人として信頼できないし、大なり小なり、嘘は嘘だ。
今後結婚生活を進めていく上で、嘘をつくような人間とは付き合っていけない。慰謝料もいらないので、早めに離婚して、お互い再スタートを切った方がいいと思う。
「真一は何も悪くない。でもこれ以上、夫婦でいることは難しいと思うんだ」
そう切り出し、私は早々に離婚することになった。
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