富が続かない人ほどお金の管理が甘い
逆に、富が継続しない人は、お金の管理がずさんです。
クレジットカードや銀行口座を複数持っていながら、どのカードにいくら借入があるのか、どの銀行にどれだけ預金があるのかを把握していない。口座やカードの数だけが増え、資金の流れを本人ですら追いきれていない。これは決して珍しくありません。
こうした「基本的な管理ができていない」状態が続けば、やがて資金繰りが悪化し、ローンの返済が滞るなど、事業や生活そのものが立ち行かなくなる可能性もあります。
実際、筆者が企業再生の現場で関わったケースでも、経営不振の根本原因は「ごく初歩的な管理の欠如」だったことが少なくありません。
一方、富が持続する富裕層はまったく異なる姿勢をとります。
彼らが専門家に相談するのは「丸投げするため」ではなく、「正確な情報をもとに、自分で判断するため」です。この違いは非常に大きいのです。
つまり、富を維持し、次の世代につないでいくには、お金に関する自己責任の意識が欠かせません。数字に無関心なままでは、どれだけ収入があっても長続きしない。これは、私自身が税理士として数多くの現場で痛感してきた現実です。
とはいえ、特別なスキルや難しい金融知識が必要なわけではありません。
まずは、「今、自分が何に、いくら使っているのか」「どこに資産や負債があるのか」を把握すること。これだけでもお金に対する意識と行動は確実に変わります。
お金の流れを「見える化」することこそ、富を築く第一歩です。
そして、その小さな意識の違いが、数年後、数十年後の大きな差を生むのです。
■学び2
プロに任せるところは任せ、丸投げはしないこと。数字を把握し、自ら判断材料を求め、最終的な決断は自分で下しましょう。お金に対する自己責任の意識を持てるかどうかが、富を守り、育て、継承できるかどうかを分けるのです。
富裕層が築いてきた資産の裏には、ストイックな努力や誠実な習慣、そして「見えない資産」への投資があります。
富裕層は共通してモノやカネではなく自分の内側に蓄積されるものへの感度が高いことがわかります。それは、すぐに見える成果や評価ではなく、経験や学び、信用や判断力といった「見えない自分資産」を、日々積み上げることへの信頼感です。
森田 貴子
株式会社ユナイテッド・パートナーズ会計事務所
パートナー・税理士
