◆ずっと裸で生きてきた。私は生涯、踊り続けたい

斜陽産業と見なされ、衰退の一途を辿ってきたストリップだが、近年、近年、女性客の流入を背景に「新たな客層を取り込んだ」「ブームが起きている」と語られる場面もあった。大衆文化に詳しい江戸川大学の西条昇教授は、その変化についてこう指摘する。
「女性客が客席の3割を占めることもありました。漫画やアニメを題材にした“2・5次元ストリップ”や、“男装BLストリップ”など、オタク文化と親和性の高い演目も見られ、女性客が推しをつくるようになった。その結果、一部の若いストリッパーのアイドル化が進んでます」

◆個人事業主であるストリッパーにのしかかる「経費」
キャリア27年の牧瀬茜(年齢非公表)さんは、こう話す。
仕事場の減少に加えて、個人事業主であるストリッパーは「経費」が重くのしかかる。 「衣装や振り付け代、交通費や宿泊費は自腹。衣装は演目に合わせて作るので、オーダーで最低10万円。50万円ほどかけるコも珍しくない。昔は、新しい出し物を1つ作れば20軒ほどの劇場を回れたけど、今は5軒で踊ったらまた新しい演目を作らなければならず、衣装代が嵩む。全国を回る交通費、地方の劇場に衣装を送る宅配便の代金もバカになりません」
ベテランのストリッパーには、年齢を重ねたゆえの問題も降りかかる。
「体力は落ちるし、ケガや病気もしやすくなる。去年はステージで転んで手首を骨折、1か月ほど休業しました。親の介護で3年ほど舞台から離れたこともある。ストリッパーは踊らなければ、収入はゼロ。休んでいる間に芸が錆びたり、お客さんが離れないか不安で。幸い復帰できましたが、1年先は見えません。でも、お金では得られない、裸で表現する魅力がある。人生の半分以上をストリッパーとして生きてきたので、もう人生の一部。いいステージにしたい思いに、ゴールなんてない」

