◆接待費17か月で計3000万円もむなしく「殺すぞ」「社会的に抹殺するぞ」と脅迫
こうして引地容疑者が接待に費やした額は17か月で「スーツの仕立て代などプレゼントしたものなどを含めると約3000万円にのぼる」という。だが、共同研究に費やした額はさらに大きなものだった。「1年間の社会連携講座の運営にかかる経費は2000万円以上。これは前述とおり、日本中小企業団体連盟が持つことになっていました。ただ、私は接待費とは別に、佐藤教授とYには『研究のために必要だ』という理由で、6190万円分もの検査機械などを購入させられました。佐藤が定年で東大を去ったあとには、年収2700万円でクリニックの顧問に据えるようお願いされ、それも私は了承しました。私にできることはすべてやったつもりですが……佐藤は次第にはへそを曲げ始めた」
2024年8月30日、引地容疑者は銀座の高級飲食店で脅迫を受けたという。
「商品化には長い時間がかかるものなのに、『いつお金になるんだ!?』と怒りだし、しまいには『殺すぞ』『社会的に抹殺するぞ』『講座を潰すぞ』とぶちギレ、取り急ぎ現金1500万円持ってくるようにと指示されました。そのとき、佐藤と吉崎の誕生日プレゼントとして、私は一つ14万円のリモワのスーツケースを2人に贈ったのですが……それでも佐藤の怒りは収まらなかった。以降、共同研究はまったく進まなくなり、1つも論文を発表してもらえぬまま東大から社会連携講座の打ち切りが一方的に決められた。それで私は愕然として脅迫の被害届を24年9月に出したのです。25年5月には東大と佐藤、吉崎に対して損害賠償請求訴訟も起こしました」

「昨年11月には東大医学部附属病院の整形外科准教授が医療機器の納入業者から約70万円を受領した収賄容疑で逮捕されました。今回の日本化粧品協会と東大教授の一件では、現金の授受こそないもの、接待された額が(70万円と比較して)2桁も異なるので、起訴は免れないでしょう。また、警視庁捜査2課は2人が“接待慣れ”していることに目をつけ、他の企業からも収賄があったのではないかと疑っている。今回の事件は東大教授が手を染めた前代未聞の大規模収賄事件へと発展する可能性もある」
過剰な性接待の代償が大きなものとなるのは間違いなさそうだ。


