財産1億5,000万円でも動かせるのは現金300万円。〈相続税1,386万円〉が払えないはずだった60代男性が「15年前の民事信託」に救われたワケ【相続の専門家が解説】

財産1億5,000万円でも動かせるのは現金300万円。〈相続税1,386万円〉が払えないはずだった60代男性が「15年前の民事信託」に救われたワケ【相続の専門家が解説】

財産はある。でも、お金が足りない現実

当時、父親が持っていた財産は次のとおりです。

・自宅土地:1億2,530万円
・建物:153万円
・現預金:300万円
・生命保険:1,200万円
・合計:1億4,183万円

相続税の簡易試算では、約1,386万円の相続税が見込まれました。

問題はここからです。

財産の大半は「自宅不動産」。


一方で、自由に使える現金は300万円ほどしかありません。

・生命保険は相続が起きないと入らない

・自宅は売らなければ現金にならない

・認知症が進めば、売却や契約行為ができなくなる

つまり、
「財産はあるのに、使えない」状態に陥るリスクがあったのです。

「民事信託」をすすめた理由

そこでご提案したのが、父親を委託者、長男・高橋さんを受託者とする民事信託契約でした。

目的は明確です。

・父親が元気なうちに、将来の財産管理の道筋を決める

・認知症になっても、不動産を処分・活用できるようにする

・成年後見制度に頼らず、家族の判断で動けるようにする

この信託契約により、

・不動産の管理・売却・活用は長男が行える

・収益やお金は父親(その後は母親)のために使う

・父親が亡くなった後は、母親が信託を承継する

という設計が整いました。

契約の日には、家族4人全員が集まり、父親の意思確認を丁寧に行いながら手続きを進めています。

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