凡事を徹底し、透明性のある対応で信頼を築く
富裕層に共通するのは、どんな環境でも「凡事徹底」ができることです。挨拶をする、時間を守る、約束を果たす──こうした一見当たり前に思えることを状況や相手に関係なく続けます。
たとえば、相手が立場の弱い人であっても、忙しいときや疲れているときであっても、態度や対応を変えません。一般の人の中には「できていないことを隠す」人がいます。帳尻を合わせようと不透明な行動をとったり、その場しのぎでごまかそうとしたりするのです。富裕層はそうした不誠実さを嫌い、むしろ誰が見てもフェアでフラットだと言える行動や発言を積み重ねます。透明性が信頼を呼び込み、長期的な関係を支えるのです。
この行動の土台にあるのが、損得だけで動かない姿勢です。目先の利益よりも信頼を優先し、相手への感謝や敬意を頻繁に伝えます。特に成功者の多くは、相手への敬意を大切にしています。ダイバーシティに対しても自然に許容できるオープンマインドな視点を持っています。そして、仲間や友達や家族を大切にします。海外であろうと国内であろうと、国籍や文化、価値観の異なる人とも対等に接し、学び合う姿勢を持ち続けるのです。
こうした姿勢は、ビジネスや交友関係において長期的な信頼とつながりを生み出します。どんな状況にあっても「人としての基本」を一貫して持ち続けられる強さこそが、彼らの本質なのだと感じます。
「凡事徹底」と「損得を超えた価値観」という2つの軸が、富裕層の安定感と広がりのある人脈を支えています。そしてそれは、特別な能力や資質ではなく、誰でも日常の中で磨くことができるものなのです。
■学び2
当たり前を軽んじず、徹底すること。挨拶する、約束を守るといった基本の積み重ねに加え、誰が見てもフェアでフラットな言動が、信頼を生みます。
できないことを隠さず、透明性があること──それこそが富裕層に共通する姿勢です。
「当たり前以上」を積み重ねて期待を超える
富裕層のお客様から、こんな言葉をよく耳にします。
「こちらが思いつかなかったようなことをしてくれるから、また仕事をお願いしたくなるんだよ。言ったことをやってくれるのは当たり前だからね」
仕事で求められたことをやり遂げるのは当たり前。そこに+αを加えて相手を驚かせる人ほど高く評価され、信用を勝ち取り、やがて大きな成功を収めていきます。富裕層はゼロから事業を起こす過程で、「当たり前以上」を積み重ねてきたからこそ、大きな成功を摑んできたのでしょう。
起業家に限らず、会社員や専門職として評価されたいなら、まずは基礎を徹底し、その上で一歩先を読んで動くことが欠かせません。この積み重ねこそが信頼を勝ち取り、次のチャンスを引き寄せる道なのです。
もしあなたが会社員なら、上司の指示通りに仕事をこなす、取引先の要望に応えるのは、働いて報酬を得る立場としては当たり前のことです。そこから頭ひとつ抜け出すには、相手の真のニーズを先読みする力が欠かせません。相手がまだ言葉にしていない期待や背景事情まで察し、それを形にできる人ほど高く評価され、信頼を勝ち取ります。
では、先読みする力を高めるには何が必要でしょうか。
筆者は、日頃の自己投資がものを言うと考えています。会社と家を往復するだけでなく、休日も含めて知識や教養が深まる活動に時間とお金を投じる。これが、相手の考えや背景を読み解く「引き出し」を増やします。それがいつ役に立つかは事前にはわかりませんが、実際に仕事で結びついた瞬間には「このためだったのか!」と鮮やかに実感できます。
資格やMBAを取れば、人生が劇的に変わると期待する人もいます。
しかし経験上、それだけでは十分ではありません。
知識と経験は片方だけでは生きず、両輪になって初めて力になるのです。これらの価値は、肩書そのものではなく、ハードな勉強をやり遂げた経験、多くの仲間との出会い、学びをきっかけに働き方を見直せたこと──そうした経験と知識の結びつきにあります。価値ある体験は間違いなく自分の糧となり、感性や思考力、発想力を磨きます。その結果として、仕事でのアウトプットの質も高まり、自然と「言われたこと以上のこと」ができるようになっていくのです。
■学び3
まずは、経験と知識を積み重ね、求められた仕事を確実にやり遂げること。そして、相手の期待を一歩先読みし「当たり前以上」を積み重ねる。これが凡人にとっての現実的で確実な成功法則です。
森田 貴子
株式会社ユナイテッド・パートナーズ会計事務所
パートナー・税理士
