“高値で現金一括”に目がくらみ…中国人に土地を売った人の苦悩。近隣住民からの相次ぐ苦情、「売ったことが知れれば裏切り者扱い」

“高値で現金一括”に目がくらみ…中国人に土地を売った人の苦悩。近隣住民からの相次ぐ苦情、「売ったことが知れれば裏切り者扱い」

外国人による土地取得は全国3498件(内閣府調査)。都市部を離れた山林や原野が目立ち、買い手の約半数は中国人だ。政府は国家安全保障上の懸念から規制強化に乗り出したが、その網をかいくぐるように彼らは各地で「山」を買い漁っていた――。

◆老後を考え“業者”に売ったが最後……

西口さんが中国人に売却した伊豆高原の別荘地では、大量の瓦礫が放置されたままだ
 東京駅から特急電車で2時間ほどの伊豆高原。台湾有事を巡り日中関係が冷え込む前、大勢の中国人が人気観光地の大室山に詰めかけていた。静岡県伊東市は東京からのアクセスがよく、富士山を眺望できるのが人気の理由だろう。

 西口征太さん(仮名・62歳)は1年ほど前、伊豆高原の別荘とその周囲の山を中国人に売却した。外国人による北海道や沖縄の土地取得が問題視されていた頃だが、全国的な問題として受け止められてはいなかった。

「持病が悪化し、東京の病院に通院しなければならず、引っ越すことになって。転居後も別荘として持っているつもりでしたが、この年齢になると雑草取りや管理が大変で……。もともと中古で買った物件で、修理や維持も難しくなって、売りに出したんです」

 所有していた山林は280㎡、建物の敷地面積は110㎡。仲介する不動産業者から提示された価格は、相場の倍近くの3400万円だった。

「値段もよかったし、話もとんとん拍子に進んで、肩の荷が下りました。空き家のまま放置して不審者が出入りしたりして、近所に迷惑をかけるわけにもいきませんから」

 ところが、西口さんの安堵は吹き飛ぶ。近隣住民から、苦情が相次いだのだ。

「解体業者が土日も構わず作業を行い、騒音をまき散らしたうえ、瓦礫もうず高く積んだまま放置していたんです。ご近所さんからは『挨拶もなしにいきなり工事が始まった』『古い建物だからアスベストの健康被害が心配』と苦情が殺到したけど、東京からはすぐに現地に行けず平謝り……。売った先が中国企業と知ったのは、この後でした。この辺りの不動産屋はリゾート物件を扱う業者ばかりで、買った人の国籍なんて気にしない。仲介した業者さえ、売ったが最後、相手と連絡が取れないと言う。まさか、伊豆で中国人が土地を買い漁ってるなんて考えもしませんでした」

◆東京から好アクセスのリゾート地も標的!

中国人による旅館の買収が続く石和温泉。中文表記の「旅館」の看板も少なくない
 山梨県・石和温泉も、東京駅から特急で2時間弱の好アクセスを背景に、熱海と並ぶ人気温泉地として栄えた。しかし、バブルが崩壊すると、60軒以上あった組合加盟の旅館は32軒へ半減。溝渕和正さん(仮名・59歳)も、経営する旅館と里山に広がる敷地を売却した一人だ。

「コロナで売り上げが落ち、資金繰りが一気に厳しくなったところに、ボイラーと屋根の修繕で数千万円単位の出費が必要になった。売るか、潰すかの二択を迫られたんです」

 不動産業者に相談すると、すぐに反応があった。所有する土地は約700㎡。相場は7000万円ほどだったが、建物込みで2億円という提示だった。

「金額を見た瞬間、目の前が明るくなりました。しかも、支払いは現金一括。当時は預金通帳の残高が日々減っていき、家族が崩壊する寸前。買い手の国籍なんて気にしていられなかった」

 相場を大幅に上回る金銭を手にした溝渕さんだが、思わぬ事態に直面する。

「生まれ育った土地にいられなくなった……。石和では中国人による旅館の買収が続いて、住民から反感を買っており、売ったことが知れれば裏切り者扱い。商売人同士は噂が早く広まるし、誰かに何か言われる前にこちらから関係を断ち、家族で引っ越しました。もう故郷には戻れないし、親戚とも絶縁状態です」


配信元: 日刊SPA!

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