◆ふたりが本当に伝えたかったことは…
次に、コント自体の分析。確かに、アーティストたちの歌う前の緊張感をパロディにするアイデアは面白い。そして、スター(Mr. Parka jr.)を補佐するサイドメンバー(Dr. Turtleneck)が露払いのような立ち回りでスタッフに詰め寄るというのも、ベタですが笑えます。
しかし、チョコプラのコントはここからの展開力に欠けていました。これが、たとえばアメリカのサタデー・ナイト・ライブ内のコントだったら、さらにこの類のアーティスト独特の言い回し、ライフスタイル、固有名詞などを交えて、さらに深い戯画化に転じていたでしょう。
けれども、チョコプラは「静かに!」というフレーズを繰り返し、声の大きさや抑揚、リズムを細かくズラすといった形でしか時間を埋めることができませんでした。これは、彼らの芸風がそうしたミクロの視点を持っているからという理由よりも、単純に文脈を広げるための参照物をあまり多く持っていないからだと考えられます。
残念ながら、瞬間芸、一発芸の域を出ないのです。
というわけで、今回はうまく噛み合わなかったTHE FIRST TAKEとチョコプラのコラボ。いや、ひょっとしていまだにくすぶる過去の炎上でネットユーザーに「静かに!」と言いたかったのでしょうか?
だとしても、あんま伝わってなさそうだからやっぱ残念なのです。
文/石黒隆之
【石黒隆之】
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。X: @TakayukiIshigu4

