
花の魅力を届ける人・吉原友美さんが伝えたい“花”は、植物を通じて、今の自分の心と向き合う「今日花(こんにちばな)」というあり方。
花を選び、飾ることは、自分と向き合い、今の気持ちを感じ取る行為。季節を通して今日の自分にまっすぐに向き合う手段としての花が「今日花(こんにちばな)」なのだそう。
そんな吉原さんの日常と花のある暮らしを、吉原さんの言葉でお届けします。
写真/須賀浩二



立春の日を前に、私が暮らす葉山町でも淡い春を感じるようなあたたかい日が続きました。母が立春や節分を大切にしていた影響か、私も立春を前にすると新しい年をどんな年にしていきたいかを改めて考え、漢字一文字で表現するのが毎年の恒例。
今年は、「育」という言葉を大切にする一年にしようと決めました。
育=そだてる、はぐくむ。
「育」は、私にとって前に進める力をくれる言葉。自分のことを後まわしにしてきてしまったなあ、と思うことが多い人生だったので、改めて自己と向き合い成長させる機会や大切な人との深いつながりを育んでいきたいと思ったから。
そんな、今の私の気持ちで選んだ“今日花“が、「チューリップ」です。
チューリップって、子供の頃によく歌った童謡のイメージや小学校の花壇にあったせいか、牧歌的なイメージのある花でした。だけど、「赤、白、黄色♪」では表現できないようなニュアンスのある色や、何色もグラデーションで重なった色を持つ品種があり、とてもシックな表情を持つ花なんです。
少しずつ春に近づくチューリップ畑で思うこと




数年前から神奈川県寒川町(さむかわまち)で、オーガニックフラワーを育てる「Ozonico Organic Flower」のしょうたろうさんの力を借りてチューリップを育てています。
オーガニックフラワーといっても、美しい花は勝手に育つわけではありません。土を耕し、種を蒔いて、水をあげて、草を引いてと、生産者さんの手と目と思いがたくさんかけられて育っていくチューリップから教えてもらうことがたくさんありました。
春が近づく今、蕾がだんだんと緩んできてもうすぐ咲きそう。
そんな様子をみていると、「私も少しずつ育っていきたい」。そう思います。
頭を垂らす様子もかわいい。チューリップは自由気ままに生けるのが楽しい
オレンジ、黄色、白といろんな色のチューリップを、ばさっと無造作に生けました。
茎がやわらかく、花が重いと頭を垂れてしまう様子もかわいいところ。
チューリップ一本一本の個性のままに、自由に生けましょう。
実は、オレンジや、黄色といった華やかな色のなかで、背後にある白色がポイント。
強い色のなかで白色があると、やわらかな雰囲気が生まれるので、
こんな生け方が私は好きです。
撮影/吉原友美 編集・文/柳澤智子(柳に風)
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