「結果マイナスにしかならへん」多くが“トイレ貸出拒否”…外国人観光客が殺到する京都でコンビニ店員が語った苦悩

「結果マイナスにしかならへん」多くが“トイレ貸出拒否”…外国人観光客が殺到する京都でコンビニ店員が語った苦悩

◆京都はトイレマナー問題の「最先端地域」

株式会社KICKsの代表取締役・山本健人氏。一橋大学を卒業後、アマゾンでの勤務を経て京大院に入学した
「インバウンドによるトイレマナー問題について、国内でも最も深刻な状況に置かれているのが京都。他の観光地の問題も先取りした、いわば『最先端地域』と言えるでしょう」

こう指摘するのは、京都を拠点に観光事業を手がける株式会社KICKsの代表取締役・山本健人氏(34)だ。

’23年から2年間、京都大学経営管理大学院に在籍。卒業研究として京都市中心部のコンビニチェーンを約半年間歩き回り、トイレの貸出状況を調べた。その結果、トイレの貸出を不許可としていた店舗は、354店舗中74(「夜間のみ閉鎖」など時間帯の区別を設ける場合を含む)。市内でも特に観光客が多い四条河原町では、23店舗中のうち16店舗がトイレを閉じていたという。

なぜ観光地のコンビニほど、トイレの閉鎖率が高いのか。山本さんによれば一つには、文化の違いを背景とした「トイレトラブル」が関わっているという。

「地域や文化の違いによって、トラブルの内容に差があります。西欧人の場合は便器にまたがって破損させる、中国やインドなどではトイレットペーパーを流さない習慣があるため、紙をゴミ箱に捨てて帰ってしまうといった傾向があり、トラブルが多発しています。多くのコンビニはフランチャイズ方式のため、修理代や清掃代は加盟店側が負担することになる。その結果、『トイレを閉鎖した方が売上が増える』という認識がオーナー間で広がり、どこかの店舗がトイレを閉じれば、近隣の店舗もそれに続くという連鎖が起きやすくなっています」

◆駅のトイレは有料に。トイレ難民化する一般客

改札内のトイレ利用には入場料金が必要であることを示す、清水五条駅改札の掲示
地域によっては駅のトイレに観光客が立ち入れず、その分の需要をコンビニが引き受けていることもある。今回取材を行った京阪本線三条駅・清水五条駅はどちらも改札外にトイレがなく、「駅構内の利用には入場料金が必要です」と掲示がなされていた。三条駅付近のコンビニ店員は、こう訴える。

「(三条駅の)改札外にはトイレも椅子もなくて、一般客も困っています。特にトイレに入れない観光客は、うちの店を目がけてやって来る。『トイレはどこ?』と質問されることがあまりに多いため、少し前までは仕事にならない状況が続いていました。店員に断りなくトイレを使ってしまうインバウンドも多く、何度も詰まりが起きて、今は貸出を不可にしています」

この点について、京阪電車の運営元である京阪電気鉄道株式会社に確認を取ったところ、同社広報からは「現時点では、三条駅・清水五条駅への『改札外トイレ』の設置予定はございません。ただしトイレの設置場所については、駅の構造等を勘案し、決定しています。観光客によるトイレ利用を防ぐ狙いはありません」と回答があった。


配信元: 日刊SPA!

提供元

プロフィール画像

日刊SPA!

日刊SPA!は、扶桑社から発行する週刊誌「週刊SPA!」が運営するニュースサイトです。雑誌との連動はもちろん、Webオリジナルの記事を毎日配信中です。ビジネスマンが気になる情報を網羅!エンタメ・ライフ・仕事・恋愛・お金・カーライフ…。ビジネスタイム、プライベートタイムで話したくなる話題が充実!

あなたにおすすめ