通所+訪問の新しい「複合型サービス」は創設を見送り
──最後に、今回の報酬改定の目玉として注目度の高かった「複合型サービス」については、12月4日の審議会での議論を経て見送りが決定しました。これはどういった内容だったのでしょうか?
審議会では、地域の実情に合わせた複数の在宅介護を組み合わせたサービスを検討すべきという意見が出されていました。これを受け提案されていたのが、訪問介護と通所介護を組み合わせた複合型サービスです。

厚労省の狙いは、不足する介護人材、とくに訪問介護員の不足を補うために、既存の介護資源(通所介護の職員)の有効活用を見込んでいたのではないかと思います。しかし、「既存サービスの規制緩和で良いのではないか」「制度の煩雑化につながる割にメリットが少ないのではないか」などの反対意見が多く、見送りが決定しました。
──峯尾さんは今回の見送りをどう見ていますか。
結果的には延期になって良かったと思います。審議会の資料にもあるとおり、効果検証が十分でないと感じました。今回の件は提供側の問題が大きいとは思いますが、そもそも審議会の構成メンバーはサービス提供側の人間で占められており、障がい分野のように利用側の当事者団体などは入っていません。そういう意味で、今後はより多角的な検討が必要なのかもしれませんね。
また厚労省は、介護の費用対効果、つまり介護サービスを利用したことによる要介護状態の改善の評価測定を重視しているようですが、老化に伴う要介護状態の変化は、良くなったり悪くなったりの繰り返しです。医療や看護のように治療による効果というわけにはいきません。がん末期やターミナルケアにおいては比較的評価しやすいですが、通常の介護の効果や評価は利用者アンケートによりおこない、要介護者とその家族が何を望んでいるのか、顧客のニーズ調査があってこそだと思います。
──今後の報酬改定や介護保険制度について、どのような期待を持っていますか。
介護保険制度はどうしても費用面で語られることが多いですが、若い人たちが夢と希望をもって従事できる環境整備や、訪問介護の現場へのEPA介護福祉士候補者などの介護人材登用の条件づくりといった側面から議論が進むといいですね。
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介護報酬改定を巡っては、年内に報酬・基準に関する基本的な考え方の整理、取りまとめをおこない、2024年1月頃に具体的な報酬や加算の算定要件などの改定案が示される予定です。
参考
- 厚生労働省|社会保障審議会(介護給付費分科会)
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