「もううんざりだよ」女性シンガーの高市首相批判に賛否。メッセージは伝わったが…曲が突きつけた“皮肉な現実”

「もううんざりだよ」女性シンガーの高市首相批判に賛否。メッセージは伝わったが…曲が突きつけた“皮肉な現実”

◆シンガーである前に、“権力批判をする人”として認識される可能性

ファシスト政治家が任期を全うせず性急に選挙をして裏金や統一教会との癒着などの問題をうやむやにし、より強権的な政府運営を目論んでいる発言があったので、曲を書きました🫀🪽

もううんざりだよ† (demo)https://t.co/86yIGaNyq9

— 春ねむり HARU NEMURI (She/Her) (@haru_nemuri) January 24, 2026


 それは、春ねむり氏のキャリアにも影を落としかねません。このような直接的な権力批判をすれば、その時々で名前が売れるでしょう。

 けれども、そうすればするほどに世間は彼女を“そういう人だ”という記号にはめ込みます。その結果、純粋なメッセージだったはずのものが、強固なブランディングとなり、ついには商品として回収されるからです。

 こういう話をすると、“じゃあトランプを批判したブルース・スプリングスティーンみたいな人はどうなる?”と言う人もいるでしょう。

 でもスプリングスティーンは権力批判をするだけのミュージシャンではありません。彼には誰もが知っているヒット曲があり、セレブリティとしてのステータスもあり、そのうえでドナルド・トランプという暴君に牙を剥いているのです。

 春ねむり氏は、現状では参政党と高市早苗首相をディスった人、というのが世間の認識であり、それがプロフィールと一致してしまっています。要するに、もうそういう表現しか期待されなくなっている危険性があるのです。

 いや、すでにそうなっているのかもしれませんが……。

 権力批判をする自由を守ることと、言葉の自由を守ることは全く違う。

「もううんざりだよ」から得られる教訓です。

文/石黒隆之

【石黒隆之】
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。X: @TakayukiIshigu4
配信元: 日刊SPA!

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