映画は、スクリーンの外で続いていく
映画は、スクリーンの内側だけのものではなくなった。ビジュアル、音楽、グッズ、イベント、SNSでの会話——いくつものメディアを行き来しながら、私たちの生活の中で、何度も姿を変えて現れる。
ポスターを見上げ、パンフレットを開き、誰かと語り合う。
そのすべてが、映画の“続き”をつくっていく。観客それぞれの生活の中で、物語は静かにかたちを変えながら生き延びていく。
いま、映画の楽しみ方は静かに変わりつつある。スクリーンの中の2時間だけで完結する体験ではなく、ポスターを撮り、パンフレットを持ち帰り、アパレルやイベントで再び作品の世界と出会う。映画は別のメディアへと滲み出し、私たちの日常と重なりながら、ひとつのカルチャーとして生き続けている。

石井勇一
クリエイティブディレクター / アートディレクター
前衛的な作風で知られるデザイン会社、大手外資系広告代理店を経て、OTUA株式会社設立。パッケージデザイン、ロゴデザイン、ファッショングラフィック、コーポレートアイデンティティなどデザインを通じたブランディング構築に厚い信頼を集める。繊細な感情表現を得意とすることから『ムーンライト』(16)『君の名前で僕を呼んで」(17)『mid90s/ミッドナインティーズ』(18)『燃ゆる女の肖像』(19)『花束みたいな恋をした』(21)など多くの映画話題作のグラフィックや独創的なアプローチによる販促物のデザインも手掛ける。英国「D&AD Awards」ブロンズ賞をはじめ、米国The One Show、モスクワ国際グラフィックデザインビエンナーレ、東京TDC賞など国内外のデザインアワードを多数受賞。常に物事の本質を世の視点から問うことにより生まれる、観衆の心を揺さぶるナラティブと精巧かつ緻密に構築された世界観に評価が高く、題材の奥に潜む最も深い願望を掘り起こし、それに誠心誠意寄り添う表現手法を得意とした無私なクリエイティブマインドを持つ。
Instagram:https://www.instagram.com/yuichishi/
