◆「テンションを上げるためのナチュラルドラッグ的な感覚で…」

「台湾ではかつて、トラック運転手向けに、幹線道路沿いでセクシーな衣装をきた女性がビンロウを売る屋台が風物詩でした。規制は強化されましたが、台湾では生の実を加工したものが流通しています。一方、中国大陸では感想製品された主流で、10~20代の比較的若い世代がクラブやネットカフェで使用。頭がシャキッとするので、eスポーツにのめり込むゲーマーにも人気です。日本では、クラブ通いをするパリピ系の中国系留学生が、テンションを上げるためのナチュラルドラッグ的な感覚で使っています」
生のビンロウは植物検疫の関係で日本への持ち込みができないが、パッケージ化された乾燥製品は輸入制限がない。そのため、日本に持ち込まれているようだ。では、国内ではどこで買えるのか。
在日中国人からの情報によれば、神奈川県・川崎や大阪府・心斎橋にある物産店で扱われているという。記者は両店に電話で問い合わせてみたが「在庫はない」との回答だった。基本的に店頭には置かず、中国のメッセンジャーアプリ『ウィーチャット』で予約注文し、後日店舗に取りに行く形のようだ。
さらに中国SNS「小紅書」を調べると、「日本 ビンロウ」と検索すると、実際に販売しているアカウントが多数あった。
「日本・ビンロウ・正規品・小売や卸売・長期購入の場合割引あり」
「大阪心斎橋でビンロウ受け渡し 一袋2000円」
「びっくり!11kg17元の配送費で日本全国に郵送」
そんなコピーが並ぶなか、コメント欄には「まだ在庫はありますか?」「受け取り場所はどこ?」など在日中国人からの書き込みが並び、年末年始や春節(旧正月)前ということもあり商いは活発な様子だった。
◆手渡しで乾燥ビンロウを購入してみたら……

両方を希望すると、指定されたのは東京・池袋駅前にある池袋西口公園だった。
当日現れたのは、20代と見られる中国人カップル。男性はドレッド風の髪に黒パーカー、女性はスウェットにキャップ姿。一見すると日本人の美大生や専門学生のようで、外国人には見えない。
軽く中国語で挨拶すると、男性はリュックからビンロウを取り出した。中には教科書や筆記用具のようなものが見え、男性は留学生だと推測される。小遣い稼ぎでの一環なのだろう。現金を手渡すと、男性は笑顔で「ありがとう! また欲しいときはいつでも連絡してくだいね!」と言い、連れの女性と手を繋いでその場を去っていった。

