歯抜き職人と戦争が生んだ──外科・歯科が「学問」になるまで

歯抜き職人と戦争が生んだ──外科・歯科が「学問」になるまで

◆●なぜ王の主治医は歯科医か

それにしても、どうしてそんなに口の中に関する話がたくさん出てくるのだろうかと疑問に思う方もいらっしゃると思います。

それはなぜかというと、昔は口から病気になっていったからです。

いまでこそ、虫歯や歯周病で歯を抜いたら、当たり前のように抗生物質が処方されますが、実は抗生物質なしで手術をするというのは、とても難しいことなのです。そのため、昔は口の中の病気から全身に感染症が広がる「歯性病巣感染」というものになり、最悪の場合亡くなってしまうということが多発していました。

ここで先ほどの話に戻りますが、なぜ歯科医師が王様付きだったのかというと、王様を病気にしないためには、口の中が綺麗でなければいけない、という考え方だったからです。当時は口の中から病気になってしまうことが多かったので、そう考えるのは自然なことでもありました。

当時は日本でも同じように考えられていたため、一番身分の高い医師は「口中医」といって、いまで言う歯科医師でした。ヨーロッパでも「ストマトロジスト」と呼ばれていた、口の中のことを専門にする医師が上位の医師だったのです。

【吉野敏明】
1967年生まれ。神奈川県横浜市出身。1993年岡山大学歯学部卒業、歯学博士。日本歯周病学会歯周病専門医・指導医。精神科病院理事長、一般病院理事長を歴任。医療問題アナリストとして医療費問題の実態に向き合い、臨床現場と統合医療の実践から現代医療が抱える構造的問題を明らかにしてきた。日本人の命と健康を守る真実の医療を提言すべく、政治団体・日本誠真会を設立し、党首を務める。
配信元: 日刊SPA!

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