◆久しぶりに連絡が。どうも様子がおかしい?
ライフステージの変化によって、親しい人は移り変わっていく。悲しいかな、それでも現実なんてそんなものであろう。事態が動いたのは、音信不通になってから1年後のこと。近藤さんの連絡を無視し続けていたBさんから、急に「久しぶりに会いたい」と連絡があったのだとか。
「Bとは1年どころか、1カ月遊ばないことすらそれまでは一度もなかったんです。なので、久しぶりに会うことに変な感じはしつつも、うれしさのほうが大きくて。でも、いざ落ち合ったBは少し痩せていて、元気がないように見えました。まずは近況報告をしあってから、その後は今まで通りにカラオケしたりゲームをしたりできたらと僕は思っていたのですが……。
Bは待ち合わせたカフェをすぐにでも出たいような、落ち着かない素振りを見せていました。理由を聞くと、一緒に行きたいところがあるというのです。一体どんなところなんだと聞いても、なしのつぶて。着いてから説明するの一本槍で、まったく詳細は明かしてくれませんでした。それでも大親友のBの頼みですから、ひとまずは着いていくことにしたんです」
◆歌舞伎町の雑居ビルの前で立ち止まり……
聞いている第三者としては怪しさしか感じない展開であるが、「信頼の親友」バイアスが大きいのは、考えようによっては美しきことかもしれない。「連れてこられたのは新宿、というか歌舞伎町でした。昼間の歌舞伎町なんて初めてだなあなんて思っている僕を構わず、Bは脇目もふらずに路地をずんずん歩いていきました。見失わないように後を追っていると、歌舞伎町の中でも一段と怪しげな雑居ビルの前で立ち止まったんです。
そこでBは、『5万円でいいから貸してほしい』と言ってきて……。もうこの時点で嫌な予感は確信にほとんど変わっていましたが、最後の望みをかけてBに理由を聞きました。『今日は絶対にここで勝てるんだよ。中に行きつけのカジノ店があるんだけど、今日はめったとない開放日でさ。でも軍資金が今なくて……。
絶対に勝てるから、勝ったお金ですぐに今日中に返すから、5万だけ貸してほしいんだ。ていうか、今日なら近藤もおもしろさがわかるはずだから、一緒にやろうよ』とのことで……まあ、案の定の結果ですよね」

