2. 支度金・厚遇による不利の補填
支度金は入社・入職にあたって、最初にかかる出費を補うために会社が出す一時金のこと。ヘッドハンティングの世界ではよく使われている手法ですが、この支度金を大胆に活用する地方企業も出てきています。
たとえば、有名企業に在籍する人材を迎える場合、転職後の給与水準が一時的に下がるとしても5年間は現職年収との差額を特別賞与として補填する。そのほか、単身赴任にかかる全費用の負担や家族が二重生活を強いられる場合の補填。さらには、月2回相当の家族往復交通費の負担や転居に伴う家財購入費(100万〜200万円)の支給まで。
客観的に見れば「大盤振る舞い」といえるでしょう。企業側は、それが人材獲得のための“投資”であることを理解しているのです。候補者の心を動かすために、条件面でも、演出面でも、徹底的に工夫する。ここまで踏み込む地方企業も出てきています。
3. 家族・教育環境まで含めた採用戦略
地方企業への転職では単身赴任が前提になることもある一方、家族一緒での転居を望む候補者も少なくありません。「離ればなれは嫌だ」という考え方は自然なもので、特にネックになりやすいのが、子どもの教育環境です。
ここに目を向け、地元の有力進学校や進学塾の情報を整理し、場合によっては住居の斡旋や通学利便性まで含めて支援する企業もあります。地方の有力企業は、地域社会に強い影響力を持っていることが多く、そのネットワークを活かしたサポートが可能なのです。
いわゆる「嫁ブロック」によって転職が頓挫するケースは少なくありません。そこで、候補者本人だけでなく、配偶者、とくに教育面を気にする奥様の不安を先回りして解消する。こうした発想が、採用成功の分かれ目にもなってきています。
