都内を中心にさまざまな現場で特殊清掃を手がけるブルークリーン株式会社で働きながら、特殊清掃の実態を伝える登録者5万3000人以上のYouTubeチャンネル「特殊清掃チャンネル」を運営している鈴木亮太さんに、詳しい話を聞いた。
◆冬場でもカビは完全に死滅したわけではない

「確かに、一番気をつけなくてはならない季節は、湿気が多くなってしまう夏場なのですが、冬もカビが発生する環境になってしまっていることがあります。
主なカビの原因は、室内と屋外の気温差によって起こる結露です。冬なので、一日中暖房をつけっぱなしの家も多いですよね。また、エアコンの設定温度は25度から30度の間にしているかと思います。じつは、この間の気温がカビにとっては繁殖しやすい環境となります。
暖房で部屋は乾燥するかもしれませんが、部屋に衣服がたくさんあるような状況だと、湿度も高くなっているのです。でも、このカビはすぐに繁殖するわけではありません。夏に向けて休眠状態に入っているんです」
カビというのは完全に死滅することは珍しく、ほとんどの場合が夏へ向けた休眠状態になっているという。
「暖房をつけっぱなしにすることによって起こった結露が、壁の中に湿気を作り出すんです。この湿気が案外やっかいで、見えないところで、木などにカビが根を張っていきます。部屋は乾燥しているから大丈夫だと思っても、案外、壁の木の中は湿気で溢れていたりします。こういった休眠中のカビが夏場になると突然暴れ出します」
休眠状態に入ったカビは、梅雨時になると一気に爆発する。
「梅雨時期に、“あれ? 梅雨に入ったばかりなのにもうカビ臭いぞ”と思ったことがある人が多いと思います。あの現象は、休眠していたカビのせいです。壁の中で繁殖したカビを完全に除去するのは一般の個人の力では難しく、業者に頼らざるをえなくなる場合があります。放っておく人はたくさんいると思いますが、カビというのはアレルギーなどの健康被害を及ぼすので、侮ってはいけません」
◆寒くても朝起きたら窓を開けて換気しよう
これを予防するすべはあるのか。「寒いかもしれませんが、朝起きたら窓を開けて部屋の換気をしたほうがいいです。家を出る直前で問題ありません。とにかく、外と部屋の寒暖差をなくす作業を定期的に行わないといけません。自分が居心地の良い環境を作るということは他の生物に対しても居心地がいい環境を作っているということなので。きちんと1日数時間、気温が下がって乾燥させる時間があればカビは繁殖しません。
ゴミ屋敷に住んでいる人は要注意です。ゴミが溜まることによって冬なのに湿気が高いという環境を作り上げてしまっています。すると冬なのにカビ臭い環境になってしまうんです」
また害虫や害獣も冬だから出てこないと思っていると、とんでもないことになる。
「11月、12月に入ってからネズミ駆除の仕事が急増したんです。ネズミも寒さに弱いので、人間が暖を取っている環境に入り込んでくるんですよね。断熱材が敷いてある部分の上とか、ユニットバスの天井の裏だとか。案外身近なところにネズミは隠れています。とにかく少しでも暖かいところを目指して侵入してくるので。侵入経路としては家の基礎の部分にあるガラリと呼ばれる通気口の部分や、エアコンのパテで埋められてる配管部分をかじって家の中に侵入してきます。ネズミは頭がいいので追い出すことができても何度も戻ってくるんですよね。なので、一度入ってきてしまったらきちんと駆除しないと被害は収まりません」

