◆医学部受験の決め手になった祖母の存在
――ぬかりありませんね。当時から外の世界に興味があるのでしょうか。にょみ:それはあるかもしれません。学内のコミュニティだけではなく、いろいろな人たちと交流したいと考えている点が、今にも通じているとは思います。
――現在でこそ事業を立ち上げたり、SNSに力を入れるなど、幅広い活躍しているにょみさんですが、そもそも医学部に進学しようと考えたのはどうしてでしょうか。
にょみ:受験勉強をする段になって、いろんなことをフラットに考えると、自分は人体に興味があることに気づいたんです。人体構造などを学問的に考えてみたいなと思ったのがきっかけだと思います。
またそれだけでなく、中2のときに亡くした祖母との思い出も無関係ではないでしょうね。私は祖母ととても仲が良く、大好きでした。私が生まれたときからすでに、彼女は脳梗塞の後遺症で左半身麻痺の状態だったのですが、子どもながらにリハビリテーションが身近にあった私は、反面、不具合も感じていました。彼女の死は本当に唐突でしたが、常に近い場所に医療があったから、関心が持てたのだと思います。
◆自身を欠陥人間と認識しつつ、負けず嫌いゆえ…

にょみ:源泉を辿れば、コンプレックスに行き着くのかもしれません。高校生のときの私は、自分に社会性がないように感じていたんです。特に桜蔭の子たちが真面目で優秀だったせいもあるかもしれませんが、それに比べて自分は言われたことがすぐにできず、理解力も低いと思っていました。正直、欠陥人間だと自分で自分に烙印を押して過ごした時期もあります。
ただ、そんななかでも、生来の負けず嫌いで、「できないことをできるようにしたい」という思いがあるんです。それで、大学入学後も、ビジネス系のサークルに出入りしたりしていました。
そういう試行錯誤を繰り返しながら、最近では「輝かしいところを輝かせられるようにしよう」と思える余裕がでてきました。

