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「スニーカーブームが終わった」は本当か?“プレ値”がつくスニーカーの多様化と偽造業者の暗躍

「スニーカーブームが終わった」は本当か?“プレ値”がつくスニーカーの多様化と偽造業者の暗躍

◆韓国アイドルが火付け役? 思わぬきっかけで人気が出る新たなスニーカー需要


神 義詞
また、スニーカー市場に“投機勢”を呼び寄せたプレ値のアイテムだが、「値段が高騰するか否か」を左右する要素も多様化してきていると神さんは語る。

プレ値がつくスニーカーも依然として多く存在する一方で、以前はコラボ限定モデルに人気が集中していたが、最近では通常販売のモデルでもプレ値がつくケースが増えてきたという。

「背景としては、情報収集の手段が多様化したことが大きいですね。インスタやTikTokを通じて、『映画の試写会でこの女優さんが履いていた』『推しの韓国アイドルがイベントで着用していた』といった情報が一気に広まり、その影響で『自分も同じものが欲しい』というニーズが爆発的に増えました。特にここ3〜4年で顕著になっていると感じています」

最近では、思いがけないきっかけでプレ値がつくケースも増えており、プーマの「スピードキャット」は2023年のパリコレで来場者の足元が特集され、「オールブラックに赤いスウェードのスピードキャット」を合わせたコーデが話題となった。その様子がSNSで切り取られて拡散され、女性を中心に一気に売れ行きが伸びたそうだ。

◆スニーカー熱の陰で広がる偽造品。「すべてのモデルで偽物が存在する」

しかし、新しいスニーカーの流行が生まれるほど、それに比例して偽造品も大量に出回るようになると神さんは注意を促す。

「例えば、ナイキの店頭で購入できる一般的なモデルと、『トラヴィススコット × ナイキ エアジョーダン1』のモデルでは、価格差が30〜40倍にもなりますが、使われているパーツや素材、シルエットなどは大きく変わりません。そのため、偽造業者にとってはコストをかけても利益率の高いプレ値の商品を狙うのが長らく主流でした。

こうしたなか、最近では事情が変わってきていて、店頭で買える定番モデルですら偽造品が大量に出回るようになりました。つまり、現在はほぼすべてのモデルで偽物が存在すると考えた方がいいでしょう」

偽造品を避けるには、公式店舗や公式オンラインストアなど、メーカーから直接購入するのが最も確実な方法だと言えるだろう。スニーカー熱はまだまだ衰えない一方で、こうした問題を回避していくのも大事になるのではないだろうか。

<取材・文・写真(人物)/古田島大介>

【古田島大介】
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている
配信元: 日刊SPA!

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