リフォームか建て替えか?後悔しない判断基準と費用・手間を徹底比較【診断シート&事例付】

リフォームか建て替えか?後悔しない判断基準と費用・手間を徹底比較【診断シート&事例付】

「古くなってきた実家。これまで何度かリフォームはしてきたものの、安全性や快適性を考えると、長く住み続けるのは難しいかもしれない」
「両親と同居するなら、いっそ建て替えたほうがいいのでは?」
このように、リフォームか建て替えかで悩んでいませんか?

リフォームか建て替えは状況によって最適解が変わるため、万人共通の「正解」はありません
迷ったときには建物の状態や住みたい年数などの条件を整理しながら、判断していくことになります。

そこで本記事では、リフォームか建て替えかで悩んでいる方に向けて、築年数・建物の状態・費用の3つの視点から判断する方法を解説します。
あわせて事例やリフォーム時の注意点などもお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

1.【リフォームvs建て替え】判断のための診断チェックシート

まずは「建物の状態」「理想の暮らし」「お金と将来」の3つの視点から、リフォームと建て替えのどちらが向いているのかを考えていきましょう。
各項目で当てはまる部分にチェックを入れ、最後にチェックの数を数えてみてください。

リフォームか建て替えかチェックシート

リフォームか建て替えかチェックシート

1-1.「建物の状態」に関するチェック

建物の状態は、リフォームか建て替えかで悩んだときの最重要ポイントです。
なぜなら、建物の構造や基礎部分の劣化が進んでいると、工事範囲が広がりやすく、高額な修繕費がかかる可能性が高いからです。

とくに築年数が経っている住宅だと、内外装を解体した際に、床下・壁内・屋根裏などの普段は見えない部分に腐朽が見つかることも多く、追加工事が発生するケースも少なくありません。

場合によっては建て替えのほうが費用を抑えられるケースもあるため、まずは覚えている範囲や目視でかまわないので、次のような項目をチェックしてみてください。

<建物の状態に関するチェックリスト>
1981年(昭和56年)以前に建てられた(旧耐震基準の住宅)
外壁のひび割れ、剥がれが目立つ、チョーキングがある
過去に一度も屋根・外壁・配管のメンテナンスをしたことがない
雨漏りをしたことがある(天井や壁紙にシミ・カビ・浮きがある)
床が傾いている(ビー玉が転がる、建具が勝手に開閉する)
床を歩くとふかふかする、羽アリが出た(シロアリの疑い)

これらの中でもとくに修繕費用が高額になりやすいのが、シロアリ被害や雨漏りです。
防蟻駆除だけなら10万円前後で済みますが、食害がみられる場合は修繕に数十万円から数百万円かかることも。雨漏りも同様に腐朽がみられると、費用が一気に跳ね上がります。

上記のリストで当てはまる項目が多いようなら、建て替えを視野に入れましょう。

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1-2.「理想の暮らし」に関するチェック

建物の状態の次に考えたいのは「直せるか」ではなく、直したあとの暮らしです。
自分たちが住まいに何を求めるのか、チェックリストを確認しながら希望を整理してみてください。

<理想の暮らしに関するチェックリスト>
家の延床面積を広げたい
部屋数を増やしたい
吹き抜けををつくりたい
住宅の気密性を高めたい
資産価値を優先したい

リフォームであっても、大がかりな間取り変更やバリアフリー化は可能です。
ただし、床面積を広げる(増築)、吹き抜けをつくる工事などは規模が大きく、構造計画が必要になるため、リフォームだと制約が出やすくなります

また住宅の気密性においても、構造を骨組みまで解体する「スケルトンリフォーム」まで行わなければ大きな改善は期待できません。
しかしこうした工事を行うと、費用が建て替えと変わらない可能性も出てくるため、当てはまる項目が多いなら、建て替えも視野に入れたほうがよいでしょう。

1-3.「お金と将来」に関するチェック

見積額や工事後の住宅の扱いなどから、次の項目もチェックしてみてください。

<お金と将来に関するチェックリスト>
リフォームの見積額が建て替えの7割を超えている
相続・売却まで視野に入れて考えたい
維持管理の手間・頻度を減らしたい

リフォームを考えたときに見落としがちなのが、工事後の維持費や資産価値です。
建て替えよりリフォームのほうが短期的な費用は抑えやすくなりますが、メンテナンス頻度は建て替えよりも多く、建物の資産価値も下がりやすくなります。

後悔しないためには、工事後30年以上の維持費や資産価値まで含めて考えることが大切です。
もし上記のうちいずれかにチェックが入るなら、建て替えを優先して考えましょう。

【チェックリストの結果の見方】

ここまでのチェックリストのチェック状況から、下記のように判断しましょう。

<すべての項目でチェックが少ない人>

各章の項目でチェック数が少ない(目安は2つ以下)なら、ひとまずリフォームを前提に計画を進めるのがおすすめです。
とくに「建物の状態」に関するチェック数が少ないなら、建物の構造や基礎部分がしっかりしていると考えられます。
その場合は性能面や間取り、設備などを一新しても、建て替えより費用を抑えられるでしょう。

<いずれかのカテゴリでチェックが多かった人>

1-1から1-3まででどれか1つでもチェックが多いカテゴリがあるなら、建て替えも視野に入れて検討することをおすすめします。とくに「建物の状態」「お金と将来」のチェックが多いなら、思い切って建て替えたほうが、その後の満足度が高くなるかもしれません。
リフォームと建て替えの両方の見積もりを取り、提案内容を比較したうえで、どちらが最適かを検討してみてください。

【注意点】チェックリストだけではなく、必ず「プロの目線」のアドバイスを参考に!

建物の劣化は目に見える部分よりも、床下・壁内・屋根裏などの「見えない部分」で進行しているケースがほとんどです。判断を誤らないためにも、リフォーム会社または住宅会社などに依頼して現地調査を行い、プロ目線でのアドバイスを受けましょう。
より詳細に状態を把握したい方は、「ホームインスペクション(住宅診断)」や「耐震診断」を受けるのも一案です。

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2.【リフォームvs建て替え】費用と手間を徹底比較

リフォームか建て替えかで迷ったとき、まず気になるのが「費用」ではないでしょうか。
たしかに費用は両者を比較するうえで欠かせないポイントですが、後悔しないためには、工期や建物の寿命、工事上の制限なども含めて総合的に判断することが大切です。

まずは一覧表で、それぞれの違いを整理してみましょう。

リフォーム 建て替え
費用 工事費用 1,500万円~3,000万円 2,500万円~5,000万円
ローン

リフォームローン

一体型住宅ローン

リフォームローン

建て替えローン

ペアローン

補助金・税制優遇 耐震・省エネ補助金など 補助金+住宅ローン控除
工期 1か月~4.5か月 4か月~8か月
建物の寿命 工事後30年~40年
(築40年目安)
100年以上
(長期優良住宅)
工事制限、注意点
  • 構造制限が出る
    可能性がある
  • 建物の状態によっては
    リフォームが難しい
  • 再建築不可物件だと
    建て替え自体ができない
  • 面積を小さくしなければ
    ならないケースがある
  • 表だけを見ると「費用はリフォームが安い」と、感じるかもしれません。
    しかし実際は、何をどこまで直すか、そしてあと何年住む予定かによって、最適解が変わります。
    ここからは、それぞれの項目について詳しく見ていきましょう。

    2-1.費用の違い

    リフォーム 建て替え
    工事費用

    フルリフォーム:1,500万円~2,000万円

    スケルトンリフォーム:1,200万円~3,000万円

    2,500万円~5,000万円
    ローン

    リフォームローン

    一体型住宅ローン

    リフォームローン

    建て替えローン

    ペアローン

    補助金・税制優遇 耐震・省エネ補助金など 補助金+住宅ローン控除

    工事費用は多くの場合、解体費用がかからない分、建て替えよりもリフォームのほうが抑えられます。内外装や設備を一新するフルリフォームなら、費用は1,500万円〜2,000万円が目安です。

    ただし、築30年を超える住宅では、目に見える部分だけをきれいにするのではなく、内外装を骨組みまで解体し、根本から直す「スケルトンリフォーム」を行うのが一般的です。
    スケルトンリフォームにかかる費用は、築年数に応じて次のように変わってきます。

    <築年数ごとの「スケルトンリフォーム」の費用相場>
    内装のみスケルトンリフォーム 内外装スケルトンリフォーム
    築30年 1,200万円~1,700万円 1,600万円~2,100万円
    築40年
    築50年 2,200万円~3,000万円

    ※40坪の場合。築40年を超えると内外装スケルトンが必要になるケースがほとんど

    スケルトンリフォームの費用目安は1,000万円超ですが、増改築などを伴わなければ、建て替えより費用を抑えられるケースがほとんどです。
    実際に、建て替えの費用目安は2,500万円~5,000万円となっており、国土交通省の「令和6年度住宅市場動向調査」によると、平均値は5,214 万円でした。
    工事費だけで比べるなら、スケルトンリフォームであっても、リフォームのほうが大きく負担を抑えられます

    ただし、ローンや税制面では建て替えのほうが有利になります。
    建て替えなら低金利の住宅ローンを利用しやすく、補助金制度や減税制度もリフォームより優遇される場合がほとんどです。

    とくに年末の住宅ローン残高の0.7%が、最長13年にわたって控除される「住宅ローン控除(減税)」が適用されれば、還付金によって結果的に費用負担を軽減できます。
    2026年(令和8年)の改正によって、より省エネ性が高い住宅や子育て世帯が優遇される内容になったため、建て替え時に要件を満たせば大きな節税性効果が得られるでしょう。

    リフォームの見積額が建て替えの7割を超えるなら、こうした制度を活用することで結果的に「費用負担が大きく変わらない」となるケースも出てくるでしょう。

    出典:国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査
    出典:国土交通省「住宅ローン減税等の延長・拡充が閣議決定されました!~既存住宅、コンパクトな住宅への支援が拡充されます~

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    2-2.工事期間の違い

    リフォーム 建て替え
    工期 1か月~4.5か月 4か月~8か月

    フルリフォームやスケルトンリフォームは、短ければ1か月、長くとも半年以内に終わるケースがほとんどです。解体作業が不要な分、建て替えよりも工期が短くなります
    一方、建て替えの場合は解体や基礎の新設などに時間を要するため、4か月〜8か月ほどかかるのが一般的です。

    なお、リフォームか建て替えかで迷うほどの工事規模になるなら、どちらを選んだとしても、仮住まいが必要です。
    予算の中に、引っ越し費用や工事期間中の家賃なども組み込んでおきましょう。

    2-3.建物の寿命の違い

    リフォーム 建て替え
    建物の寿命 工事後30年~40年
    (築40年目安)
    100年以上
    (長期優良住宅)

    築年数が経っている家でも、スケルトンリフォームによって構造部分まで修繕し、その後も定期的なメンテナンスを続けることで、工事後30年〜40年ほど暮らすことは可能です。
    両親との同居や自分たちの老後までは、安心して暮らせるでしょう。

    一方、子世帯(親世帯から見た孫)への引き継ぎや売却も見据えて考えるなら、建て替えのほうがおすすめです。
    中でも「長期優良住宅」のように、耐久性・省エネ性・維持管理のしやすさを前提に設計された住宅であれば100年以上はもつといわれているため、長く、安心して住み続けられます。

    2-4.工事制限の違い

    リフォーム 建て替え
    工事制限、注意点

    構造によって間取りに制限が出る可能性がある

    建物の状態によってはリフォームが難しい

    再建築不可物件だと建て替え自体ができない

    面積を小さくしなければならないケースがある

    既存建物の構造や基礎をいかすリフォームでは、柱や梁の位置、耐力壁の関係などによって、思い通りの間取りにできないケースがあります。たとえば、LDKを広げたときに空間にぽつんと柱が残ってしまうことも。
    とくに木造の「ツーバイフォー(2×4)工法」に関しては、壁で家全体を支える構造のため、間取り変更自体が難しくなります。

    一方で建て替えなら、こうした構造面の制限で悩む心配はありません。
    ただし、建ぺい率や容積率、接道義務などの影響によって、面積をコンパクトにせざるを得ない可能性はあり、再建築不可物件にあたる場合は建て替え自体できません

    工事上の制限は建物や敷地の状態によって変わって変わります。リフォーム会社や住宅会社に現地調査を依頼し、制限の有無を確認したうえで検討しましょう。 回答

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