「あなたのケアに、値段をつけられますか?」年間5,000人を教える介護講師が語るプロの覚悟

「あなたのケアに、値段をつけられますか?」年間5,000人を教える介護講師が語るプロの覚悟

介護は誰でも始められるが、誰でもできる仕事ではない

庄司先生インタビュー-3

──初任者研修の講義で意識していることはありますか?

受講生や授業の雰囲気にもよりますが、質問があれば自分の経験をもとに厳しい話もします。

いいところだけを切り取って伝えると、現場に出たときのギャップでこの仕事を辞めてしまう人が出てきます。それは、新しいスタッフが来て喜んでいた利用者さんを間接的に裏切ることになりますよね。

介護講師の役割は、介護職の人数を増やすことではなく、正しい知識と技術を持った人材を育て、利用者さんの生活を間接的に支えることです。だからこそ、現場のリアルは包み隠さず伝えています。

──講義をとおして、受講生にはどんなことを伝えたいと考えていますか?

受講生には「利用者さんは介護職を選べない」ということを必ず伝えています。厳しい言い方になりますが、介護は誰でも始められても、誰でもできる仕事ではありません

施設に入居した人の晩年が幸せなものになるか、不幸なものになるかは、担当する介護職次第です。僕の講義を受けた人には、利用者さんから「出会えてよかった」と思ってもらえる存在になってほしい。そのために僕も、受講生から「この先生でよかった」と思ってもらえるよう、毎回全力で教壇に立っています。

──「出会えてよかった」と思われるほどの信頼関係を築くのは難しいですよね。「仕事の割に対価が見合わない」という声も多いですが、庄司さんはどうお考えですか?

もちろん、制度上賃金が低いという課題はあります。しかし、現場を見ていると「今の働きでこの対価をいただくのは、むしろ高すぎるのではないか」と感じる場面もあります。

介護サービスは、自己負担が1〜3割なので安く感じがちですが、本来は高価なものです。もし自分が客だとして、作業的なケアや放置に近い対応をされたら、その金額を支払いたいと思うでしょうか。

真面目な職員も多くいますが、ルーチンワークとしてこなしている職員が、待遇への不満だけを口にするのは少し違うと思います。プロである以上、「私のケアにはこれだけの値段の価値があります」と胸を張って言える仕事を目指すべきです。

──自分のケアに値段をつけるのは興味深い考え方ですね。

安売りする必要はありません。その代わり、プロとしての責任を持ち、対価に見合う価値を届ける義務がある。それが専門職というものです。

──さまざまな介護講師の方に伺っているのですが、庄司さんにとって「いい介護」とはどんな介護ですか?

私たち提供者にとって都合のいい介護は、「座って」と言えば座ってくれて、「お風呂」と言えば入ってくれる、管理しやすい介護です。

でも、利用者さんにとっての「いい介護」はその真逆で、わがままを言えることなんです。もし人生の最期のステージに立ったら、我慢なんてしたくないですよね。わがままな人はわがままに、怒りっぽい人は怒りっぽく、その人らしさを最期まで貫いてもらう。それを支えるのが「いい介護」だと思います

──最後に、これから介護職を目指す人へメッセージをお願いします。

綺麗事だと言われるかもしれませんが、一緒に笑って、一緒に泣いて、人の人生の最期を彩れるのが介護の仕事の醍醐味だと思います。

介護職は、泥臭いかもしれないし、「3K(きつい・汚い・危険)」などと、ネガティブな言葉で語られることもあります。でも、誰かが言い続けなければ、誰も理想を目指せなくなるので、僕は胸を張って綺麗事を言い続けます。

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