借入金という重荷
さらに相続財産には、父親の代から続く借入金3,100万円が残っていました。過去の相続税支払いのために借り入れたもので、利息を払い続けなければなりません。
「土地はあるのにお金がない」――典型的な地主相続の悩みです。永田さんも一度は母親に対して「ひどいじゃないか!」と憤ったものの、「何とか借入を整理して、安心して生活できるようにしたい」と願っていました。
提案した解決策
私のほうで、永田さんの課題を整理し、次のようなプランを提示しました。
(1)貸宅地は売却して現金化
貸宅地は地主の自由度がなく、収益性も低下傾向にあります。売却することで借入金を返済し、資産のスリム化を図ります。借地人との交渉も含めて整理する方が、将来の安心につながります。
(2)実家300坪は賃貸併用住宅に建て替え
老朽化した実家は取り壊し、永田さんが住む自宅部分と、賃貸用の住戸を組み合わせた「賃貸併用住宅」を建築します。
これにより、
・永田さん自身の住まいを確保でき、家賃の支払いから解放される
・家賃収入が得られるので、固定資産税の支払いにも不安がなくなる
・将来も収益資産として子世代につなげられる
といった効果が期待できます。
(3)借入返済で家計を安定化
貸宅地売却で得た資金を借入金返済に充て、利息負担を軽減します。そのうえで、賃貸併用住宅からの家賃収入を活かして、生活と将来資金を安定化させます。
