◆月2回・約30回の継続的な接待。実刑の可能性は高いのか
収賄罪の量刑において、接待の回数や期間はどのように評価されるのだろうか。「収賄罪の量刑においては、総額・期間・回数が重要な考慮要素となります。月2回程度の頻度で約30回にわたり継続していた場合、『たまたま』『うっかり』という言い訳は通用しません。『常習性』『制度的な癒着』と評価される可能性があります」
実刑の可能性に関しては、接待の内容や便宜供与の程度、損害の発生有無なども重要な要素になるという。
「今回のケースについては、上記のとおり、風俗接待という極めて、大学への信頼を失墜させるもので悪質です。また、報道によれば、本来協会が負担すべき研究費について、代わりに大学側が肩代わりをしていた疑惑があり、この意味で大学に損害が生じている可能性もあります。これらの事情から、執行猶予にとどまらず、十分に実刑が視野に入る事案だといえます」
仮に実刑判決が下されれば、教授としてのキャリアは事実上終わる。長年積み上げてきた研究実績や肩書きは、一度の判断で失われることになる。
◆教授ひとりで終わらない──“甘い蜜”に群がった周辺人物の責任
今回の事件では、主犯格の教授だけでなく、その部下や接待を調整していた人物の刑事責任も問題となる。「部下の医師についても、仮に同様に接待を受けていたり、この調整に加担したりしていたのであれば、教授同様に収賄罪が成立する可能性はあります。部下に教授ほどの裁量がなくとも、刑法上の共犯は成立します。
ただし、仮に多少接待を仲介していたとしても、上司・部下という関係上断れず、自身が直接接待を受けていたわけではない、という場合には、立件が見送られることもあるかもしれません」
一方、接待を行った側については、贈賄罪(刑法198条)が問題となる。
「一般論として、収賄罪と比べて、贈賄罪は立証の難易度が高く、ハードルが高いとされていますが、本件では、かなり具体的な証拠が出てきていますので、立件されることも現実的です」

