
◆10年前とは違うシニアの仕事の現実
シニアの転職や採用については、先入観(バイアス)に注意が必要だということを、こうしたコラムの中や、登壇の機会などで何度となく述べてきた。シニアが置かれた状況を含めた社会全体が急速に変化する中で、現在のシニアは過去のシニアに比べて健康や体力が若々しく、ITなども使いこなせる人が多い。先入観に惑わされず目の前の現実と向き合わなければ、企業にとってもシニアにとってもミスマッチは避けられない。
実態と異なる間違った先入観を持ちやすいのは、シニアの働き方や健康・体力などだけでなく、シニア向けの求人職種でも同じだ。
シニアの仕事というと、シルバー人材センターに多い地域のお手伝いのような仕事や、あるいは自分の好きなこと・趣味を仕事にして、賃金は低くとも短時間で悠々自適に仕事をするイメージがあるかもしれないが、このイメージはすでに古い。現在、60代では特にフルタイムの仕事を希望するシニアも増えているし、思った以上に給料が高いシニア向けの仕事も増えている。
今回は、思った以上に給料が高いシニア向けの求人がある職種を4つ紹介する。
◆本当に稼げるが、過酷かもしれない仕事
まずはタクシードライバーだ。シニアが仕事に就くイメージが湧きやすく、また、頑張ればそれなりに稼げそうなイメージがあるかもしれない。このイメージは間違っておらず、シニアが採用されやすい職種の中では給料が高めだ。筆者が経営するシニア専門求人サイト「シニアジョブ」に掲載された求人で提示されている給与の平均金額は2026年1月19日現在、年収362万円で最高額は600万円となっている。
タクシーを運行するには普通自動車第二種免許が必要だが、人手不足から二種免許やタクシーの乗務経験がない未経験のシニアでも、一種免許(普通免許)さえあれば、会社が教育して免許取得もサポートしてくれる会社が多い。
ドライバー不足は地方だけでなく、都市部でも運転免許を持たない若者が増えたことによって深刻なため、シニアでも歓迎されやすい。
問題は給与よりも勤務時間や休日などの働き方となり、確かに稼ぐためには長時間勤務になってしまう会社が多いこと。しかし、勤務時間や休日の管理体制は会社によって違い、大手などでは昔と違って驚くほどホワイトになって、なおかつ給与も高い会社もある。
とはいえ、座った姿勢が長く続き、また、乗客や歩行者の命に関わる責任ある仕事で、健康状態によっては勤めることができなくなる場合もあり、シニアなら誰にでもお勧めという職種とは言えない。

