移住者との交流から見えてきた、双葉町・大熊町
この日の最後は、双葉町産業交流センターにて、1日目に訪ねた大熊町と2町合同の移住者交流会です。はじめに双葉町役場の菅原智美さんが、町の概要や生活環境、移住支援制度について説明。2026年にはシェアオフィス、宿泊施設、福祉交流施設の整備が進められるほか、2028年4月の開校を目標に、認定こども園と義務教育学校を一体化し国際的な教育環境も整えた新しい教育施設の整備も進めていることなどを紹介しました。
菅原さんご自身も、約2年前に東京から家族で移住。初めて双葉町を訪れたとき、人の気配がなく空き地が広がる景色に怖さを感じたといいますが、わずか3年でここまで人の暮らしが戻るとは想像していなかったと語ります。

双葉町役場復興推進課の菅原智美さん
「双葉町の魅力は、ゼロからまちが生まれていく瞬間に立ち合えること。ランチができるお店があることや、仕事帰りにスーパーでお惣菜を買えることなど、東京では当たり前だった日常が、ここでは一つひとつ大きな喜びとして感じられます。目まぐるしいスピードでにぎわいを取り戻している双葉町を一緒につくる仲間になっていただけたらうれしいです」(菅原さん)
次に、一般社団法人おおくままちづくり公社の小口喜久さんから、大熊町移住定住支援センターのポータルサイトの紹介と、町の概要や生活環境、移住支援制度について説明。働く環境についても紹介がありました。

一般社団法人おおくままちづくり公社の小口喜久さん
「町内の求人情報を掲載する無料職業紹介サイト『クマジョブ』を作り、現在70件を超える多様な求人を紹介しています。就職後のミスマッチを防ぐため、興味のある仕事があれば、まずクマジョブの担当者が面談を行い、希望や適性をていねいに聞いたうえで、納得してからエントリーしてもらう仕組みです。また、町に関わる方や先輩移住者の想いを伝える記事を『おおくまStyle』というサイトに掲載しています。さまざまな人の言葉に触れ、この町が自分に合っているかどうかを考えるきっかけにしてもらえたらと思います」(小口さん)
続いて、各町の先輩移住者が、移住のきっかけや生活について語りました。
双葉町内を案内してくれた齊藤泰道さんは、2019年に千葉県八千代市からいわき市へ移住し、2024年から双葉町に住んでいます。

双葉町に移住した齊藤泰道さん
「双葉町は、海や山といった自然が豊かで景色がきれいです。町民の皆さんが仲よしで、移住してきた人も帰還した人も分け隔てなく交流しています。みんなでにぎやかに過ごすことも、人と程よい距離を保ちながら静かに暮らすことも、両方選べるのが双葉町のよさです」(斎藤さん)
千葉県君津市から双葉町に移住した室田美々(むろた・みみ)さんは、2020年のJR常磐線全線再開通をきっかけに、初めて双葉駅に降り立ちました。「これから町がどのように変わっていくのだろう」と興味をもち、2024年に移住。まちづくりに関わりたいという想いからFUTAHOMEのスタッフをしており、ご自身も1階のチャレンジショップで本屋を開いています。

双葉町に移住した室田美々さん
「双葉町で暮らしてよかったことは、コミュニケーションが活発で、いろいろな活動を皆さんとともにできること。ご近所の仲間とお弁当を持ち寄って外で食べたり、畑で育てた野菜の収穫を地域の子どもたちと楽しんだりしています」と室田さん。帰還した町民の方々の想いを聞くことを常に大事にしているそうで、自宅が帰還困難区域内にあり帰れない方や高齢の方が穏やかに笑顔で過ごせる活動をしていきたいと語りました。
続いては、千葉県浦安市から2023年に大熊町に移住した山口真緒さん。大学在学中、農業インターンへの参加をきっかけに初めて大熊町を訪れ、地方創生・地域活性・地方移住に関わるイベントを企画制作する株式会社Oriaiへの入社と同時に大熊町へ移住しました。現在は「学び舎 ゆめの森」での探究学習のサポートや大熊町のお土産カプセルトイ開発、農業インターンや飲食店の運営などをしています。

大熊町に移住した山口真緒さん
「大熊町は若い移住者が多いのですが、町民の皆さんはフレンドリーに受け入れてくださいます。町民の挑戦を最大10万円まで支援する「おおくまチャレンジ応援プログラム」に友人が応募した際も、多くの方が協力してくれました。個々のやりたいことに寛容で協力的な町の雰囲気が、とてもいいなと思っています。私は復興のために移住したのではなく、自分が楽しいと思える仕事があるから大熊町で暮らしています。同世代の友人と恋愛の話をしたり、孫でもない私を夕食に招いてくれるおばあちゃんがいたりと、町民の皆さんとの日常的な交流も楽しんでいます」(山口さん)
続いて、神奈川県横浜市から2年前に大熊町に移住した広川誠さん。大学卒業後、ツアーカメラマンとして同行した際に浜通り地方を訪れ、人との出会いや交流に魅力を感じ、大熊町に移住しました。平日は一般社団法人おおくままちづくり公社で復興支援員として勤務、土日はカメラマンとして活動しています。

大熊町に移住した広川誠さん
「地方は人口が少ない分、一人ひとりの出会いの機会が多く、会話の内容が自然と深まり、つながりが広がっていきます。何かイベントを企画する際に、経験の有無に関わらず『手伝いたい』と集まってくれる人が多いのも、大熊町の魅力だと思います」(広川さん)
その後は、登壇した4名の方や関係者が参加者のテーブルを順に回り、双葉町や大熊町での暮らしや移住について意見交換を行いました。参加者からは「生活用品や衣料品はどこで買うのですか」「娯楽はどうしていますか」といった具体的な質問が次々と飛び出し、和やかで活発な時間となりました。

まとめ
ツアー1日目は、大熊町の産業交流施設CREVAおおくまや、農と食をテーマにした複合施設「FUN EAT MAKERS in Okuma」、お試し住宅などを見学しました。施設見学や移住者との交流を通じ、参加者の皆さんは福島12市町村での暮らしを、少しずつ身近なものとして思い描いていったようです。
ふくしま12市町村移住支援センターでは、福島12市町村の魅力を体感できる移住体験ツアーを実施しています。「福島12市町村に興味がある」「移住の参考にしたい」という方は、ぜひツアーやイベントに参加してみてください。
移住体験ツアーやイベントはこちらのページでご紹介しています。 >https://mirai-work.life/topics/#
※内容や所属は取材当時のものです 文:はしもとあや 撮影:古関マナミ
※本記事はふくしま12市町村移住ポータルサイト『未来ワークふくしま』からの転載です。
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