アザレアの栽培環境

日当たり・置き場所
【日当たり/屋外】日当たりと風通しのよい場所を好みます。強い直射日光を浴びると葉焼けすることがあるので、午前中のみ日が差す東側や、真夏はチラチラと木漏れ日が差すような半日陰になる場所がベターです。
【日当たり/屋内】春先に開花株を手に入れた場合は、日当たりのよい窓辺などに置いて花姿を楽しみます。遅霜の心配がなくなる5月頃から戸外に出すとよいでしょう。
【置き場所】西日が強く当たらない場所や、真冬に寒風が吹きつけない場所を選びましょう。
水はけ、水もちのよい酸性土壌を好むので、地植えではピートモスを施して酸度調整しておきます。室内に取り込む際は、暖房の風が直接当たる場所では花が傷んだり、つぼみが落ちたりすることがあるので注意しましょう。
耐寒性・耐暑性
耐寒性がやや弱く、耐寒温度は5℃程度。暖地を除き、鉢植えにして冬は室内に取り込むなど、寒さ対策が必要です。鉢栽培では、11月下旬くらいまでは寒さを体験させ、凍結するような寒さがやってくる前に、日当たりのよい軒下か、室内の窓辺などに移動して冬越しさせます。
アザレアの育て方のポイント
用土

【地植え】
植え付けの2〜3週間前に、直径・深さともに40㎝程度の穴を掘ります。掘り上げた土にピートモス、腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきましょう。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。
【鉢植え】
ツツジ科の植物用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。自身で配合土を準備する場合は、鹿沼土小粒3、赤玉土小粒3、腐葉土2、ピートモス2の割合でブレンドするとよいでしょう。
水やり

水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために枝葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。
真夏は、気温が高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がってぬるま湯のようになり、木が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。
また、真冬は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった日中に与えるようにしましょう。
【地植え】
植え付け後にしっかり根づいて枝葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、乾いたら水やりをしましょう。根づいた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、水を欲しがる開花期や、晴天が続いて乾燥している場合は水やりをして補いましょう。
【鉢植え】
日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。枝葉がややだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。開花期は水を欲しがるので水切れしないように注意し、真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように管理します。冬は休眠し、表土も乾きにくくなるので控えめに与えるとよいでしょう。
肥料

【地植え・鉢植えともに】
花後の5月下旬〜6月上旬と、暑さがおさまった9月頃に緩効性肥料を与えて樹勢を保ちます。地植えの場合は、幹のすぐ下ではなく樹冠の下あたりに施すと、肥料成分が根からよく吸収されます。
注意する病害虫

【病気】
アザレアに発生しやすい病気は、うどんこ病や褐斑病などです。
うどんこ病は、カビによる伝染性の病気で、葉、新梢、つぼみに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になります。放置するとどんどん広がって光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると発生しやすくなります。うどんこ病が出たら病気の葉を摘み取って処分し、適用のある殺菌剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎましょう。
褐斑病は、カビによる伝染性の病気です。主に葉に褐色またはくすんだ茶色の斑点が現れ、下葉から枯れ上がっていきます。雨が多い時期に発生しやすいのが特徴です。病葉を見つけたらすぐに切り取って処分し、周囲に蔓延するのを防ぎましょう。適用のある薬剤を葉の表と裏に散布して、防除します。
【害虫】
アザレアに発生しやすい害虫は、アブラムシ、カイガラムシなどです。
アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mmの小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。
カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすい害虫で、体長は2〜10mm。枝や幹などについて吸汁し、だんだんと木を弱らせていきます。また、カイガラムシの排泄物にすす病が発生して二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われて、薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。
アザレアの詳しい育て方
苗の選び方

アザレアは、主に晩秋~春にかけて、開花調整された花鉢が出回ります。購入する際はつぼみの多いものを選ぶとたくさんの花が楽しめます。また、葉に褐色の斑点などの異常がないものがよいでしょう。
植え付け・植え替え

アザレアの植え付け適期は5月〜6月上旬です。花苗店などでは植え付け適期以外でも苗木が出回っていることがあるので、入手したら植えたい場所へ早めに定植しましょう。ただし、真夏や真冬の気候が厳しい時期は避けたほうが無難です。
【地植え】
土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘って、根を傷めないように植え付けます。苗木がぐらつくようであれば、しっかり根付くまでは支柱を設置してビニタイや麻ひもなどで誘引し、倒伏を防ぎましょう。最後にたっぷりと水を与えます。
地植えの場合、暖地で環境に合って順調に育っているようであれば、植え替えの必要はありません。しかし冬の寒さが厳しい地域では、鉢に植え替えて日当たりのよい暖かい場所で冬越しさせるとよいでしょう。
【鉢植え】
鉢で栽培する場合は、入手した苗より1〜2回り大きな鉢を準備します。底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてからツツジ科用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗木を鉢に仮置きして高さを決めたら、根鉢をあまりくずさずに植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から水が流れ出すまで、十分に水を与えましょう。
鉢植えで楽しむ場合は、成長とともに根詰まりしてくるので、2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出し、根鉢を軽くくずして新しい培養土を使って植え直しましょう。植え替え後1週間〜10日くらいは、半日陰の場所に置いて養生させます。
日常の手入れ

【花がら摘み】
アザレアは次から次へと花が咲くので、終わった花は園芸用バサミで切り取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながります。また、いつまでも終わった花を残しておくと、種子をつけようとして株が消耗し花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。
剪定

アザレアの剪定適期は5月〜6月上旬です。7月頃には翌年の花芽ができ始めるので、これ以降に切り詰めると花が咲かなくなってしまいます。そのため、開花後すぐのタイミングを逃さないことがポイントです。
アザレアはよく枝を伸ばすので、込み合っている部分があれば、間引くように枝を切り、風通しをよくします。間引く枝は、枯れ枝や内向きに伸びている枝、勢いよく伸びすぎている徒長枝、ほかの枝に絡んでいる枝などです。途中で切らずに基部まで遡って切り取ります。全体にボリュームが出過ぎて邪魔になっているようであれば、枝の1/3くらいまで切り戻してもOKです。アザレアは芽吹く力が強いので、刈り込みにも耐えます。
増やし方

アザレアは、挿し木で増やせます。
挿し木とは、枝葉を切り取って土に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し木ができないものもありますが、アザレアは挿し木が可能です。
アザレアの挿し木の適期は、6〜7月です。新しく伸びた枝を10㎝ほど、切り口が斜めになるように切り取り、蒸散のバランスを取るために数枚の葉を落とします。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。黒ポットを用意して新しいツツジ科用の培養土を入れ、水を入れて十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。発根後は日当たり、風通しのよい場所に移動し、十分に育ったら植えたい場所へ定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じクローンになることです。
アザレアの美しく鮮やかな花を自宅で楽しもう

日本のヤマツツジやサツキをもとにヨーロッパで品種改良されたアザレアは、日本に里帰りした植物ともいえます。促成栽培されたものが多く出回り、冬に華やかな姿を楽しめる鉢花として人気があります。環境に馴染みやすく、寒さと真夏の強い日差しにさえ注意すれば容易に育てられるので、ぜひ自宅に取り入れてみてはいかがでしょうか。
Credit 文 / 3and garden
スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。12刷り重版好評!「ガーデンストーリー」書籍第1弾『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』(発行/KADOKAWA)発売中!
