資本金を準備し、オフィスを借り、従業員を雇っただけでは、会社とは言えない…会社を「会社として成立させる」最も基本的&重要な手続きとは【司法書士が解説】

資本金を準備し、オフィスを借り、従業員を雇っただけでは、会社とは言えない…会社を「会社として成立させる」最も基本的&重要な手続きとは【司法書士が解説】

登記しないとどうなる?

では、登記をしない場合はどうなるのでしょうか?

現時点では個人事業主であり、「売上も少ないから、登記はまだしなくてもいい」と考えている人も多いと思います。しかし、登記をせずに事業を始めた場合、意外な落とし穴があります。

当然ですが、株式会社としての登記をしていなければ、株式会社を名乗ることはできません。そして、株式会社でなければ「代表取締役」という肩書きも使用できません。これらは会社法上の制度に基づくものであり、登記がなければ成立しないためです。

また、登記していなければ、会社名義の銀行口座を開設することもできないため、取引はすべて個人名義で行うことになります。個人名義での銀行口座は社会的な信用が低いため、取引先からの信用面での不安を持たれることもあります。

さらに、補助金や助成金のなかには、法人でなければ対象とならないものも少なくありません。

契約関係についても同様で、登記をしていなければ契約書に会社名が使えず、すべて個人が契約当事者となります。その場合、責任は会社ではなく個人が負うことになり、いわゆる「無限責任」の状態になります。

このように、登記をしていなければ、法律上「会社は存在しない」扱いになります。

トラブルが起きた際の責任の所在もあいまいになるほか、対外的な信用やリスク管理の観点からも、事業として会社を運営するのであれば、最初に「登記手続き」を行うべきだといえるでしょう。

実際に会社を登記するためのステップ

ここで、会社を登記するまでの基本的な流れをご紹介します。

①会社の基本事項の決定 

まず、会社の基本事項を決定します。商号、本店所在地、事業目的、資本金、役員構成などを定めます。

②定款を作成 

決定した基本事項を定款としてまとめます。定款は、会社のルールブックにあたります。

★公証役場で認証(株式会社の場合)

株式会社の場合は、この「定款」を公証役場で認証を受ける必要があります。合同会社の場合は、公証役場での認証は不要です。公証役場で認証を受けない合同会社の場合でも、定款の作成は必須です。

③資本金の払い込み 

定めた資本金を発起人名義で払い込みます。

④登記書類を作成し、法務局へ提出 

登記申請書類を作成して法務局へ提出します。これらの手続きは、司法書士に依頼することでスムーズに進めることができます。

書類に不備がなければ、申請からおおむね3日から1週間程度で登記が完了します。ただし、個人で進める場合は修正や差し戻しが生じることもあり、想定以上に時間がかかるケースもあります。

⑤登記完了 

登記が完了すると、会社の法人等番号が付与され、名実ともに会社が誕生します。

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