◆グッチなのに凡庸な提案で勝負している
たとえば、バレンシアガのデザイナーはグッチに鳴物入りで移籍したのですが、グッチのアイコンであるホースビット(ローファーについてる金属パーツのアレ)をデニムにつけたなんとも凡庸な提案で勝負。もちろんかっこいいのですが、稀代の天才デザイナーでも「守り」に入っているのは誰の目にも明らか。グッチのアイコンであるホースビットを売れ筋であるデニムにつけるという保守的な提案は、バレンシアガ時代の革新性からは想像もつかないものでした。
新興市場への売り上げ拡大を狙うため「アート性を高める必要」もないのでしょう。ファッションメディアやファッション系ライターはこのあたりに気づいているけど、書けない歯痒さがあります。
欧州のメディアでは近年のルイヴィトンのランウェイに対する批判的記事などもいくつかありますが、大手メディアはだんまり。自分たちの広告出稿元であるLVMHに牙を向けるはずもなく、ジャーナリズムは構造的にすっかりと腐敗しているようです。
実際、服好きたちは徐々にラグジュアリーからヴィンテージやドメスティックブランドなどへとシフトしており、時代の変化を感じています。もちろん気骨ある提案を続けるラグジュアリーもあるにはありますが……。
以上、終わってしまったもの3選でした。
―[メンズファッションバイヤーMB]―
【MB】
ファッションバイヤー。最新刊『ロードマップ』のほか、『MBの偏愛ブランド図鑑』『最速でおしゃれに見せる方法 』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Xアカウント:@MBKnowerMag)

