◆投資の本質は、暴落が来ても退場させられない「仕組み」作りにある
また、武藤さんのポートフォリオは極めて個性的だ。現金45%、米国株40%、仮想通貨・金・債券が各5%。一般的に、30代の現金比率は高くても40%程度がセオリーとされ、キャッシュを持ちすぎるのは運用効率が悪いとされるが、武藤さんの考えは違う。「現金は、暴落時に誰もが恐怖で投げ売りするなか、冷静に買い向かうための『最大の攻撃武器』になります。投資の本質は予測を当てることではなく、暴落が来ても退場させられない『仕組み』を持って、市場に居座り続けることです。もちろん、納税額の増加という現実への備えもあります。フェラーリも、いざという時のための換金性の高い実物資産。大切なのは、自分の目標に応じてポートフォリオを柔軟に組み替えることです」
武藤さんに今後の目標を尋ねると、「自分の人生を自分でデザインできる人間を増やすこと」と返ってきた。そのために、現在はマネースクールを運営しているという。
「貯めることしか知らずに老後を迎えた母を見て、お金の使い方の重要性を痛感したんです。お金は使った瞬間こそが『真の利益確定』であり、死ぬときに一番の金持ちになっても意味がありません。稼ぐだけではない、お金という『ツール』の使い道を伝えていきたい」
億り人への近道は、一攫千金を狙ったギャンブルではない。高いレベルの環境に身を置き、自分への投資を惜しまず、複利の波に乗り続ける。このサイクルの愚直な積み重ねでしかないのだ。
<取材・文/桜井カズキ>

