
あえてお酒を飲まない生活を楽しむことを「ソバーキュリアス」といいます。若者世代から広がりはじめ、近年は健康を意識する50代にもじわじわ浸透中。大人世代が実践するメリットや、食事やイベントの楽しみ方をご紹介します。
ノンアル生活を楽しむ「ソバーキュリアス(ソバキュリアン)」
「ソバーキュリアス(ソバキュリアン)」は飲酒に対する新しい価値観として世界各国から注目されています。
あえて飲まない「ソバーキュリアス(ソバキュリアン)」とは
ソバーキュリアスとは、お酒を飲める人があえてお酒を飲まない生活をすること。ソバーキュリアスを実践する人をソバキュリアンといいます。ソバーキュリアスは「sober(シラフ)」と「curious(好奇心)」という単語を組み合わせた造語です。
禁酒や断酒は忍耐や我慢を要するものでネガティブなイメージがありますが、ソバーキュリアスはポジティブな気持ちでノンアル生活を選択している点が異なります。
適度な飲酒はリラックスできるほか、人との距離を縮めたり料理をおいしく味わったりできる魅力があり、飲酒そのものが悪いわけではありません。一方で、過度な飲酒は健康を害するリスクがあります。
「あえて飲まない」という選択は、健康意識の高まりや多様性の時代において自然な風潮といえるのかもしれません。
世界各国でトレンドに
ソバーキュリアスというワードの生みの親は英国出身のジャーナリスト、ルビー・ウォリントン氏で、自身の体験を交えた著書『Sober Curious』を発売したことがきっかけです。日本では2021年に翻訳版が発売されています。
ソバーキュリアスの「シラフこそクール」「心身の健康によい」「前向きな選択」という考えが欧米の若者を中心に広がり、世界に拡散されました。また、コロナ禍で外飲みが減り、飲酒習慣が変化したことや、ノンアル市場が世界的に急成長していることも要因と考えられます。
日本の50代にもじわじわ浸透中
日本でもソバーキュリアスは広がっており、若者世代にとどまらず50代にもじわじわと浸透中。そこには上記の理由に加え、以下のような日本ならではの背景もあるようです。
● 「飲みにケーション」の衰退
● 飲酒運転の厳罰化
● アルハラ(アルコール・ハラスメント)の問題視
● 有名人の実践
かつての「飲みにケーション」や「とりあえずビール」という文化は衰退し、個人の意思やワークライフバランスが尊重されるようになりました。また、飲酒運転が多発したことで法律がより厳しいものへと改正されたほか、飲酒を強要するなどの「アルハラ」も問題視されるように。さらに、著名人がソバーキュリアスを実践して話題になったことなども挙げられます。
大人世代がソバーキュリアスを実践するメリット
大人世代がソバーキュリアスを実践すると以下のようなメリットが期待できます。

睡眠の質の向上
ソバーキュリアスを実践すると「寝つきがよくなった」と感じる人が多いようです。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」によると、アルコールは一時的には寝つきを促進し、睡眠前半では深い睡眠を増加させるものの、睡眠後半の眠りの質は顕著に悪化し、飲酒量が増加するにつれて中途覚醒回数が増加することが報告されています。
そのため、良い睡眠のためには「寝酒」(寝つきを改善するために飲酒をすること)や「深酒」(大量のアルコール摂取)、毎日の飲酒は推奨されていません。
参考サイト:健康づくりのための睡眠ガイド2023(厚生労働省)
健康の向上
長期・大量の飲酒は生活習慣病や肝疾患、がんなどのリスクを高めます。また、加齢に伴い「お酒が弱くなった」「お酒が抜けにくくなった」と感じる人が多いのは、加齢による体の変化が関係しています。
人は年齢を重ねるとともに体内の水分量が減少し、同じ飲酒量でも血中アルコール濃度が高くなりやすいほか、加齢による肝機能の低下も影響します。そのため、若い頃と同じ飲酒量でも酔いが回りやすくなり、転倒や骨折のリスクも高まります。
飲酒の合間に水を飲んだり、食事をしながらお酒を飲んだりすることも効果的な対策ですが、お酒を飲まない生活にシフトすることも選択肢のひとつといえそうです。
参考サイト:健康に配慮した飲酒に関するガイドラインについて(厚生労働省)
経済的なゆとり
飲酒習慣があると、酒席にかけるお金や自宅で飲むためのお酒代がかかりますが、お酒をやめるとほかのことにお金を使えるようになります。趣味や習い事、キャリアアップのための学び、資産運用など、やりたいことをはじめるきっかけにもなるでしょう。
時間のゆとり
飲酒習慣があると就寝時間が遅くなりやすいほか、二日酔いになると翌日のパフォーマンスも低下します。お酒をやめることで時間にゆとりができ、睡眠時間を確保したり、趣味や勉強の時間を増やしたりすることができます。
「令和元年国民健康・栄養調査」によると、50代女性のうち1日の睡眠時間が6時間未満の人の割合は53.1%という結果でした。慢性的な睡眠の問題は肥満や高血圧、糖尿病などの発症リスクを高めることが分かっています。日頃から十分な睡眠を意識したいですね。

