「植物の力で100年の健康を」| welzoやタニタ、晴耕雨読舎の取り組み〜園芸・ガーデニング業界最新情報をお届け〜

「植物の力で100年の健康を」| welzoやタニタ、晴耕雨読舎の取り組み〜園芸・ガーデニング業界最新情報をお届け〜

「植物の力で100年の健康を」|welzoやタニタ、晴耕雨読舎の取り組み〜園芸・ガーデニング業界最新情報をお届け〜

40年以上の歴史を持つ老舗業界専門雑誌『グリーン情報』最新号から最新トピックスをご紹介! 2026年1月号の特集は、「植物の力で100年の健康を」。そのほかにも、最新のイベント紹介をはじめ園芸業界で押さえておきたいトピックスなど、注目のテーマが盛りだくさん。業界誌だからこそ発信できる貴重な情報の一部をお見せします。

特集:植物の力で100年の健康を

千葉県松戸市で行われている里やまボランティアの活動。生活スタイルの変化から管理が行き届かなくなった里山を行政、所有者、市民が協働で整備・管理している。
千葉県松戸市で行われている里やまボランティアの活動。生活スタイルの変化から管理が行き届かなくなった里山を行政、所有者、市民が協働で整備・管理している。

高齢化社会の中で健康寿命を伸ばす取り組みの一つとして、園芸が取り入れられています。みどりは人々の健康にどう作用するのでしょうか。

本号の特集「植物の力で100年の健康を」では、前半に「花とみどりによる健康まちづくりの展開」というテーマで、千葉大学予防医学センターの江口亜維子特任助教、花里真道准教授、近藤克則特任教授に執筆いただいています。

寄稿には園芸活動や緑地が健康にもたらす影響について、さまざまな研究結果や報告を数値とともに掲載。

例:日本の13市町に居住する4万9705人の高齢者を6年間追跡し、趣味の種類と認知症発症との関連を分析した研究では、女性において、園芸や庭いじりを趣味とする人は、そうでない人に比べて認知症発症リスクが15%低かった

※参考文献:LING LING, 辻 大士, 長嶺由衣子, 宮國康弘,近藤 克則, 高齢者の趣味の種類および数と認知症発症:JAGES 6年縦断研究, 日本公衆衛生雑誌, 2020,67巻, 11号,p.800-810

さらに、花とみどりを活用した健康寿命延伸策の具体例もご紹介していますので、ぜひ本誌をお手にとって詳細をご覧ください。

特集後半では、「たかつき デイサービスセンター晴耕雨読舎」「welzo」「タニタ」の三者による、園芸を取り入れた健康増進につながる取り組みの概要をご紹介しています。

ここでは、その概要をお伝えします。

園芸療法で利用者の「生きがい」と「心身機能維持・向上」を目指す―たかつき デイサービスセンター晴耕雨読舎(NPO法人たかつき)

自然に囲まれたデイサービスセンター晴耕雨読舎は、園芸療法に最適の場所。育てた花や付近から施設に訪れた生き物をスタッフが写真に収め、屋内の掲示板に飾っています。
自然に囲まれたデイサービスセンター晴耕雨読舎は、園芸療法に最適の場所。育てた花や付近から施設に訪れた生き物をスタッフが写真に収め、屋内の掲示板に飾っています。

JR高槻駅から車で20分ほど。摂津峡から近く自然豊かな土地に、NPO法人たかつきが運営する「デイサービスセンター晴耕雨読舎」はあります。晴れた日は畑に出て、雨の日は室内でできる作業をする。というように自然のリズムでの生活を目指す施設で、利用者全員に当てられた「自分の畑」を活用した園芸療法が行われています。

「自分の畑」は高さ60cm、長さ1mのレイズドベッドで、利用者は育てる花・野菜選びから土づくり、種まき、植え付け、日々の手入れなど、できる限り全ての作業を行います。

また、より意欲的に、快適に園芸に取り組んでもらうための工夫の一つとして、活動日記(予定表)を用意。午前と午後の各1時間、園芸療法も含めた活動時間を設け、午前の活動が始まる前に当日の予定を立てて記入しています。

雨の日でも作業ができるビニールハウスも完備するなど、さまざまな工夫で利用者の意欲を後押しする同施設の取り組み、立ち上げの経緯やさらに具体的な活用例は、本誌にてご確認ください。

利用者の自分の畑での作業風景。
利用者の自分の畑での作業風景。
日々の過ごし方を自分で考え、意思表示してもらうための活動日記。朝その日の予定を立てて、夕方に振り返ります。裏面に写真が貼られていて、大切に保管して何度も見返す利用者も。
日々の過ごし方を自分で考え、意思表示してもらうための活動日記。朝その日の予定を立てて、夕方に振り返ります。裏面に写真が貼られていて、大切に保管して何度も見返す利用者も。

園芸で未来への期待を高める はなつむぎプロジェクト
―株式会社welzo

「はなつむぎプロジェクト」の様子。一緒に寄せ植えをする高齢者福祉施設利用者と保育園の園児。11月はパンジー、ビオラ、チューリップを用意しました。
「はなつむぎプロジェクト」の様子。一緒に寄せ植えをする高齢者福祉施設利用者と保育園の園児。11月はパンジー、ビオラ、チューリップを用意しました。

「人にも、地球にも、幸せな未来を開拓する」を掲げる株式会社welzo。「園芸を通じてさまざまな立場の人と交流し、役割や喜びを感じられる場をつくりたい」という思いから、高齢者福祉施設・保育園と協力して「はなつむぎプロジェクト」を実施しています。

welzoは、家庭園芸用品やフラワー関連商品、農業資材などを扱う会社で、認知症になっても自分らしく暮らせるまちの実現を目指して福岡市が設立した「福岡オレンジパートナーズ」に初年度の2021年から参加しています。

同社では「園芸の力で老いるを楽しむ社会をつくる」をコンセプトに、園芸コミュニティサービス「らく楽ガーデン」(ベータ版サービス、現在は終了)を企画し、園芸に必要なものをまとめたキット・ユニバーサルデザイン園芸グッズの開発やSNSを活用したプロによるサポート、イベント運営などを実施しました。

当初は、社会貢献と事業性(収益性)の両立を目指していましたが、活動が広がる中で、「さらに喜ばれる企画をしたい」という思いから、目的を社会貢献(社会的価値の創造)のみに絞りました。

これまでの多様な活動の経験を生かして、多世代交流の場として誕生したのが、はなつむぎプロジェクト。「高齢者×子ども」にフォーカスした同プロジェクトの第1回目の企画として、2025年9月、福岡県福岡市にある介護付き有料老人ホームマナハウス2番館にて、利用者と近隣のめぐみ保育園の園児が集まり、園児と利用者が協力して寄せ植えを完成させました。

同社では、今後の活動についても継続・拡大していくべく、検討中です。

本誌では、これまでの具体的な取り組みについてご紹介しています。

はなつむぎプロジェクトには、西日本短期大学緑地環境学科の山本俊光准教授と」ゼミの学生が協力。学生はイラストを活用しながら植え付けや管理方法を説明しました。
はなつむぎプロジェクトには、西日本短期大学緑地環境学科の山本俊光准教授と」ゼミの学生が協力。学生はイラストを活用しながら植え付けや管理方法を説明しました。
園児から絵を手渡し。
園児から絵を手渡し。
利用者からは、9月に寄せ植えで使った花を押し花しおりにしてプレゼントしました。
利用者からは、9月に寄せ植えで使った花を押し花しおりにしてプレゼントしました。

社会とつながる場を提供 タニタふれあい農園
―株式会社タニタ

タニタふれあい農園。みんなが集まれるテーブルと広い通路があるため、作付面積は全体の1/5程度。コミュニケーションを重視したゆとりのあるデザインです。
タニタふれあい農園。みんなが集まれるテーブルと広い通路があるため、作付面積は全体の1/5程度。コミュニケーションを重視したゆとりのあるデザインです。

健康づくりにさまざまな角度で取り組んでいる株式会社タニタ。体組成計やクッキングスケールなどの商品の製造・販売のほか、ヘルシーな食事を提供する飲食店「タニタ食堂」や「タニタカフェ」、女性専用フィットネス「タニタフィッツミー」など、健康づくりに関するサービス事業も展開しています。

同社では、農作業を通じたコミュニケーションの場を設けることで健康づくりにつなげようと、2023年4月に、本社敷地内に「タニタふれあい農園」を開園。2025年11月からは一般の利用者を募って、農園を活用した健康づくりの実証実験を行っています。

農園は子どもから大人まで無理なく作業できるよう、高さの異なる花壇をバランスよく設け、車いすも入れるようにコンクリートの通路を広めに確保。なにより、みんなで集まってコミュニケーションを取れるようにと、円形のベンチやシェード付きの休憩所を広く取りました。

東京大学 高齢社会総合研究機構(IOG)とも協力し、農園での活動が身体的フレイル(身体機能の低下によって、運動や食べ物の摂食、のみ込みなどに支障が出る状態など)・社会的フレイル(社会との接点が減り、閉じこもりや孤立してしまう状態など)の予防や改善に有用かを検証。農作業や農園との往来により自然と身体を動かし、同じ農作物を育てる人とのコミュニケーションが取れる場を目指しました。

2年にわたって運営する中で、来園者の固定化、全く来園しない層も2〜3割いるなど、課題も見えてきました。それまでの反省を踏まえ、2025年11月にスタートした今期からは、ターゲットを通いやすい近隣住民に絞り、募集方法に工夫を加えるなど、試行錯誤を続けています。

本誌では、これまで得た効果や課題、今期の活動の様子などを詳しくご紹介しています。

2025年11月1日と3日に開催された種まき会。近隣から集まった参加者合計22人で、土づくりから始めてタネを播きました。
2025年11月1日と3日に開催された種まき会。近隣から集まった参加者合計22人で、土づくりから始めてタネをまきました。
農業指導員の指導で種まきを開始。60歳代以上の参加者が中心ですが、子どもと一緒に参加している人もいるため、幅広い世代の交流の場となることが期待されます。
農業指導員の指導で種まきを開始。60歳代以上の参加者が中心ですが、子どもと一緒に参加している人もいるため、幅広い世代の交流の場となることが期待されます。

業界の最新情報が盛りだくさんの『グリーン情報』

このほか、『グリーン情報』2026年1月号には、第2特集として、

・生産地と消費地が近いメリットを生かした生産に取り組む

東京の植木生産者たち(中編)―実孝園(三鷹市)/かわむら園(小平市)

ピックアップとして

・日本フラワー・オブ・ザ・イヤー2025 2025年最高の花、決まる!
・2025年末品評会

また連載として

・園芸薬品のキホンと病害虫対策のコツ(草間祐輔)
・ヒーリング時代の緑の使い方(千葉大学大学院 岩崎 寛)
・又右衛門の植物見聞録(金岡又右衛門)
・ルポタージュ店舗 Forest(千葉県流山市)
・企業緑地 わが社のみどり自慢(大分テクノロジーセンター国東サテライト)

などを掲載。ほかにも業界最新ニュース、学べるクイズコーナーなど、園芸・ガーデニング・グリーン業界の幅広く深い情報が満載です。ぜひお手にとってご覧ください。

『グリーン情報』2026年1 月号

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