【福島県・子育て情報】「地域と関わり、故郷を誇りに感じてほしい」。2つの小学校に見る川俣町の学校教育の充実度

【福島県・子育て情報】「地域と関わり、故郷を誇りに感じてほしい」。2つの小学校に見る川俣町の学校教育の充実度

ひとりひとりに寄り添う「通学区特認校」山木屋小学校

川俣町には1校だけ、川俣小学校の再編に組み込まれなかった町立小学校があります。福島第一原子力発電所の事故にともなう避難指示が出された山木屋地区にある山木屋小学校です。この小学校が残された背景には、町の中心部から離れていることに加え、山木屋地区がかつてのにぎわいを取り戻すうえで欠かせない、地区の復興のシンボル的存在としての意味合いもあります。

避難指示前、山木屋小学校には約50名の児童が通っていました。避難指示後は川俣南小学校の一部を間借りして授業を続けていましたが、2018年3月に避難指示が解除されると、川俣中学校を間借りしていた山木屋中学校とともに帰還します。2019年4月以降は児童数ゼロの状態でしたが、2025年4月から2名(12月23日現在3名)の児童が通うことになり、6年ぶりに授業が再開されました。

山木屋小学校が特徴的なのは、学区にしばられずに通学できる「通学区特認校」であることです。川俣町内に住む子どもは、子どもの性格や教育方針などを踏まえ、川俣小学校に通うか山木屋小学校に通うかを選択できるようになっています。川俣小学校は比較的児童数の多い学校ですが、少人数の環境での学びが合っている子どもであれば、川俣町の中心部から山木屋地区に通うことも選択肢のひとつとなります。もちろん、登下校時にはスクールバスが運行されます。

山木屋小学校で学ぶことのメリットを、安田雄生(ゆうき)校長はこう言います。

「一番は、少人数であるため、ひとりひとりの関心や課題にていねいに寄り添えることです。臨機応変に学びの内容を調整しながら、その成長を見届けるよう心がけています。先生達の関わりも手厚く、最初は分からない・できない状態だった子ども達が徐々に自分に自信をもち、成長していく姿を日々目にしています」

山木屋小学校 安田雄生校長

同じ校舎では、山木屋中学校の生徒たちも学んでいます。中学生が同じ校舎内にいることの効果も大きいと安田校長は言います。

「小中の垣根を越えた交流の機会を増やそうと、文化祭や運動会などは小中共同で実施しています。給食も一緒に食べますし、昼休みも一緒に遊んでいる様子をよく目にします。手本となる中学生がすぐそばにいることで、小学生は自分の行動を見直すきっかけが得られますし、中学生にとっては、小学生の手本となる行動を取らなければという心構えをもつきっかけになっていると思います」

壁にぶつかったとき、川俣町での体験を思い出せるように

山木屋小学校の文化祭や運動会には地区の皆さんも参加し、小さな山木屋地区が大きな賑わいを見せるといいます。山木屋小学校で頑張ったこと、地区の人々にお世話になったことを胸に刻み巣立ってくれれば、きっとここを故郷と感じ、いつか地区の新しい力になってくれるはず。そんな想いもあると安田校長は語ります。

川俣小学校の佐々木校長も同様に、故郷としての川俣町を子ども達に意識させたいと言います。

「故郷から離れ、壁や課題にぶつかったとき、『あのとき川俣町であの人に会ってこう言われたな』『こんなことを教えてもらったな』と思い出せるような体験を一つでも多く提供したいんです。そのためにも、学校から一歩外へ踏み出し、地域に溶け込む機会を大切にしたい。それが子ども達の成長につながると信じていますし、移住者の方が自然な形で町に溶け込むことにもつながると思っています」

2025年には、新型コロナウイルスの感染拡大以降中止が続いていた鼓笛パレードが6年ぶりに復活。多くの町民が沿道に詰めかけたそうです。「君たちの頑張りをちゃんと見ているよ、応援しているよ」という空気が町全体に流れていたと佐々木校長は目を細めます。その表情から、地域の宝を町全体で守り育てていく環境が川俣町にはしっかり整っているのだと感じました。

■川俣町立川俣小学校 所在地:〒960-1466 福島県伊達郡川俣町字宮前36 TEL:024-566-2022 https://www.town.kawamata.lg.jp/site/kawamata-sho/

■川俣町立山木屋小学校 所在地:〒960-1501 福島県伊達郡川俣町山木屋字小塚山9-1 TEL:024-563-2101 https://www.town.kawamata.lg.jp/site/yamakiya-sho-chu/

※所属や内容は取材当時のものです。 文・写真:髙橋晃浩

※本記事はふくしま12市町村移住ポータルサイト『未来ワークふくしま』からの転載です。

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