「死刑」をテーマとした映画7作品を上映する「第15回死刑映画週間」が、2月7日(土)〜13日(金)に東京・渋谷のミニシアター「ユーロスペース」で開催される。
今年のテーマは「I Want To Live!私は死にたくない!」。1966年に発生した殺人事件で死刑判決を言い渡された元プロボクサー・袴田巌(いわお)さんの再審無罪判決が2024年に確定し、再審制度の見直しに向けた議論も進む中、7本中4本が「えん罪」をテーマにした作品となっている。
主催する市民団体「死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90」は死刑廃止を訴える集会も開催しているが、参加者の層は固定化しており、世の中の幅広い関心を集めるまでには至っていないのが現状だという。映画祭を担当する可知 亮(かち りょう)さんは「映画を通じて一人でも多くの人に死刑について考えてもらいたい」と話す。
「純粋に映画が好きだという人も、死刑制度に賛成という人にも、ぜひ足を運んでいただけたらと思います」(同前)
映画祭の開催期間中は毎日1回、上映終了後に映画監督、研究者、評論家らゲストを迎え、作品のテーマに沿ったトークショーも実施する。
「第15回死刑映画週間」上映作品一覧
A:大統領暗殺裁判 16日間の真実(2024年/韓国/129分)
監督=チュ・チャンミン
出演=チョ・ジョンソク イ・ソンギュン ユ・ジェミョン
【物語】1979年、パク・チョンヒ韓国大統領暗殺。上官の命令に従い大統領暗殺の罪で逮捕された軍人と、彼を救うために立ち上がった弁護士会のエースのチョン・インフ。国の未来をかけた裁判の行方は、次期大統領を狙う人物によって繰られていたのだ…。
B:私は死にたくない(1958年/アメリカ/120分)
監督=ロバート・ワイズ
出演=スーザン・ヘイワード サイモン・オークランド ヴァージニア・ヴィンセント
【物語】強盗殺人罪で捕まり死刑宣告を受けるも、最期まで無実を訴えた実在の女性死刑囚バーバラ・グレアムをモデルに描いた作品。主人公はこの映画でアカデミー女優賞を受賞したスーザン・ヘイワード、「毒婦」とも呼ばれた女性を見事に演じている。
C:金子差入店(2025年/日本/125分)
監督・脚本=古川豪
出演=丸山隆平 真木よう子 岸谷五朗 名取裕子 寺尾聡
【物語】金子真司は、伯父の星田から引き継いだ差入店舗(※)兼住居で妻と息子と暮らしている。息子の幼馴染を殺した男への差入れ代行、母親を殺した男への面会を望む少女などが出入りし、自分の過去も含め金子の身辺が揺さぶられ始める…。
※差入店:刑事施設(拘置所、刑務所、少年院、少年鑑別所等)に収容されている受刑者、被疑者、被告人等に差し入れる物品を販売している商店
D:拳と祈り 袴田巖の生涯(2024年/日本/159分)
監督・撮影・編集=笠井千晶
出演=袴田巖 袴田ひで子
【物語】2014年3月東京拘置所。静岡地裁で再審開始決定の出た袴田巖さんは釈放された。巖さんを乗せた拘置所を出たワゴン車には笠井千晶監督も同乗していた。その時の巖さんとひで子さんの再会の姿、その後に続く司法との闘いを追ったドキュメンタリー作品。
E:聖なるイチジクの種(2024年/ドイツ・フランス・イラン/167分)
監督=モハマド・ラスロフ
出演=ソヘイラ・ゴレスターニ ミシャク・ザラ マフサ・ロスタミ セターレ・マレキ
【物語】2022年市民たちの政府への抗議デモで揺れるイラン。公務に従事する一家の主イマンは勤勉さと愛国心を買われ、夢に見た裁判所調達官に昇進する。仕事は逮捕者の起訴状を捏造することだった。身を守るため国から護身用銃が支給されたのだが…。
F:SAYAMAみえない手錠をはずすまで(2014年/日本/105分)
監督=金聖雄
撮影=池田俊巳 音楽=谷川賢作 出演=石川一雄 石川早智子
【物語】1963年埼玉県狭山市で女子高生が殺害された「狭山事件」で、自白の強要や証拠のねつ造によって犯人とされ、無実を訴え続けていた石川一雄さん。2025年3月に雪冤を果たすことなく亡くなった。その石川さん夫婦を追ったドキュメンタリー作品。
G:にっぽん泥棒物語(1965年/日本/117分)
監督=山本薩夫
脚本=高岩肇 武田敦 出演=三國連太郎 伊藤雄之助 北林谷栄 緑魔子 佐久間良子
【物語】綿密な調査と完璧な仕事ぶりで有名な土蔵破りの義助。彼はある夜、線路沿いの道で屈強な九人の男たちとすれ違い、その後杉山駅で列車転覆事故が発生した。義助は、自分が証言をすれば無実の犯人を助けることができる、と思い至るのだが…。
■第15回死刑映画週間
期間:2月7日(土)〜13日(金)
場所:ユーロスペース(東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 3F)
料金:一般1500円他
※上映スケジュールなど詳細はユーロスペースHPで要確認

