
更年期にさしかかると、「自分のニオイが気になってきた」と悩む人が続出。
実際にニオイは強くなっているのでしょうか。更年期とニオイの関係から対処法まで専門家が解説。
教えてくれたのは・・・
産婦人科医
八田真理子先生
ジュノ・ヴェスタクリニック八田院長。医療従事のほか、女性のヘルスケアに関する相談会やセミナー登壇など幅広く活動する。
ニベア花王
関根 光さん
研究所に所属し、処方開発を担当。入社以来、主に8x4、8x4men商品の開発に携わる、汗とニオイのプロフェッショナル。
わずかな体温の変化でも発汗
清潔な状態をキープしよう

更年期世代の方が相談にくる中で、自分のニオイが強くなってきているという人は多いと八田先生。
「女性にももともと男性ホルモン(テストステロン)はありますが、更年期になって女性ホルモン(エストロゲン)が減少すると、相対的に男性ホルモンが優位になります。この現象によって、まず汗の分泌が増加します。本来、汗自体にニオイはほとんどありませんが、皮膚常在菌が分解するとニオイ物質へと変化します」
また、関根さんいわく、「更年期は汗のかき方が変わります。ホルモンの影響で体温の変化に敏感になり、わずかな体温の上昇でも発汗するようになります」
汗をかきやすく、特にニオイが気になる部位というと、頭皮、ワキ、足。
「汗を出す汗腺には、体温調節のための汗を出すエクリン汗腺と、精神的な刺激によって汗を出すアポクリン汗腺の2種類があります。エクリン汗腺は全身にありますが、アポクリン汗腺はワキや耳の中など局所的です。菌にも種類があり、部位ごとにそのバランスが異なるため、ニオイそのものも異なります」(関根さん)
では、ニオイ対策はどうすればいいのでしょうか。
「清潔な状態を保つのがいちばんです。気になる部位をよく洗った後、各部位向けに作られたデオドラント製品を使うことをおすすめします。肌がきれいな状態で使用すると、より効果的です」(関根さん)
「実はデリケートゾーンの周囲にも汗腺が多くあり、汗をかきやすい部位でもあります。さらに、女性ホルモンの減少で腟内環境が変化することもニオイの原因です。清潔にして、腟内環境を整えましょう」(八田先生)
ニオイは生活習慣も関係しています!
食事
「タンパク質やアルコールなどは体内でニオイ物質を作り、体臭となります」(関根さん)「食べたものが、ニオイも含めて体を作ります。栄養バランスのいい食事を心がけましょう」(八田先生)
入浴
「表面的な汚れはシャワーで流せても、ニオイの原因となる毛穴の奥の皮脂や老廃物は落としきれません。39〜40度の湯舟に肩上まで浸かって体を温め、たまった汚れの一掃を」(八田先生)
睡眠
「眠りが浅かったり睡眠不足だと皮脂の分泌が活発に。さらに、眠れないことで疲労がたまると体臭に影響します。体内循環にも効果的な質のよい睡眠で疲労回復を促しましょう」(八田先生)
運動
「運動を習慣にしている人の汗はサラサラで、ほぼ無臭。それに対し、普段汗をかかない人の汗は脂っぽく、強いニオイを伴います。週2〜3回有酸素運動で汗をかける体に」(八田先生)

