◆元マネージャーへの暴行は“私的トラブル”で済むのか
被害者がスタッフや元マネージャーという立場であることは、どのように評価されるのか。南澤弁護士は、この点に関して厳しい見方を示す。「芸能人とスタッフ・マネージャーという関係性は、どうしても芸能人の方が立場が上になります。いわゆる『いじめ』『パワハラ』に近い構造があるわけです。このような立場の差は、逆らいにくい関係性を利用した支配欲に基づく行為として、悪質だと判断されやすいです」
この指摘は重要だ。つまり、単に暴行・傷害があったという事実だけでなく、「立場の優位性を利用した」という構図が認められれば、より悪質な事案として扱われる可能性があるということだ。
◆「女王様キャラ」は通用する?芸風が“言い訳”にならない理由
デヴィ氏といえば、テレビ番組などで「女王様キャラ」として知られている。この「キャラ」は、刑事責任の判断に影響するのだろうか。「もちろん、テレビ番組の企画・演出の一環として行われた暴行であれば罪に問われることはありません。また、飲み会の場が『冗談』『芸風』と受け止められる雰囲気であり、暴行を受けた側も加害者を許している、という状況であれば、立件されることはないでしょう」
しかし、現実はそう単純ではないと南澤弁護士は続ける。
「実際には、被害者が内心は嫌だったとしても、芸能人に対してNOと言えない雰囲気があることも事実。暴行・傷害として立件されているということは、被害者が嫌がっていることが前提ですから、『冗談だった』『芸風の延長だった』という言い訳は困難ではないでしょうか」
むしろ、「キャラ」に関しては逆効果になる可能性もあるという。
「その場合には、テレビでのキャラクターを言い訳にして横柄に振る舞っていたのではないか、パワハラに近い動機があったのではないかと、マイナス評価になる可能性が高いと感じます」

