男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。
出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。
—あの時、彼(彼女)は何を思っていたの…?
誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。
さて、今週の質問【Q】は?
▶前回:デートの雰囲気はよかったのに…。33歳女が、たった2回で男にフェードアウトされた理由とは
マッチングアプリには、ある程度“勝ち”の法則が存在すると思っている。
でも今回の、綾乃に限っていうと、まったくこちらになびいていないと思っており、二度目のデートで「もう無理なのかな…」とも思っていた。
しかし、二度目のデートの帰り道。綾乃の方から「もう一度会いたい」と言ってきた。
「優太くん、今日は帰りますよね?またすぐに…会いたいな」
しかもまさかの、向こうから“まだ帰りたくないムーブ”が発せられている。僕はあくまでも冷静な感じを装いながら、心の中では歓喜の舞を踊っていた。
「もちろん!」
そして綾乃の宣言通り、僕たちはすぐに三度目のデートをし、その後交際することになった。
超絶可愛くて、アプリ上でも大人気だった綾乃。一度は諦めかけたのに、どうして二度目のデートで綾乃の気持ちは変わったのだろうか。
そして、どうしてこんな高嶺の花と、僕は交際できたのだろうか?
綾乃をマッチングアプリで見つけたのは、アプリ内の“人気ランキング”の欄だった。
顔が可愛いのはもちろんのこと、写真で見る限りスタイルも良い。27歳、都内で音楽関係の仕事をしており、趣味は旅行とカフェ巡り。でも体を動かすことも好き…と、プロフィールも強い。
「めっちゃ可愛いな、この子」
そう思ったものの、相手は相当な強者だ。けれども思い切っていいねを押すと共に、挨拶のメッセージを送ると、数日後に返信が来た。
― 綾乃:返事が遅くなってしまってごめんなさい!イギリスに住まれていたんですか?
僕の方は今年32歳で、都内の大手総合商社勤めで、去年まで仕事でイギリスにいたので、プロフィール欄にそれを書いていた。そこを突っ込んできてくれた綾乃は、僕のプロフィールも読んでくれた、ということだろう。
― 優太:そうなんです。昨年帰国したばかりです。
しかしここから、何度かやり取りをしたものの、実際に会う約束まではできずにいた。ここで、僕は素朴な疑問が湧いてきた。
― マッチした後、みんなどれくらいのスピード感を持って実際に会うんだろう?
僕のようになかなか会わないと、チャンスを見過ごすかもしれない。それに綾乃はだいぶモテる。悠長に構えている暇はない。
そこで、マッチして1ヶ月後。僕はようやく、綾乃をデートに誘うことにした。
― 優太:良ければ、実際に会いませんか?お茶とかランチとか軽くでどうでしょうか。
すると綾乃もOKしてくれて、僕たちはまずはランチをすることになった。
「初めまして」
待ち合わせ場所のカフェにやって来た綾乃は写真の通り可愛くて、僕は思わず襟を正す。
「初めまして、優太です」
「綾乃です。優太さん、ようやくお会いできましたね」
そう言って、ニコッと笑った綾乃がまた可愛くて、僕は久しぶりにドキドキしてしまった。
「よく言われると思いますが…。綾乃さん、実物も可愛いですね」
「そんなそんな。嬉しいです。ありがとうございます」
日中だと、その人の人柄がよく表れると思う。綾乃は写真で見た感じ、(失礼だが)男性からチヤホヤされて、少しワガママな感じかな?と思っていた。
しかし実際に会うとそんなことはまったくなく。むしろ想像とは真逆で、とても腰が低くて優しそうな人だった。
「綾乃さんは、音大卒なんですか?すごいですね」
「全然ですよ。ただピアノが好きだっただけで…プロになる夢は、諦めちゃいましたが」
「一度でも、プロを目指そうとしたことだけでもすごいです!僕、楽器はまったくダメで」
「学生時代は、何かされていたんですか?」
「僕はずっとサッカーをしていました。それこそ、一応ユースには所属していたのですが、大学進学と同時に諦めました」
「え〜!それもすごいじゃないですか。私は逆に、運動がまったくダメで…」
お互い自慢するわけでもないのに、たくさん話の引き出しがあって、会話がポンポンと弾む。
それに綾乃が発している柔らかな雰囲気と、カフェの窓から差し込んでいる温かな日差しがマッチしているせいだろうか。僕は、不思議と幸せな気持ちになった。
「綾乃さんって、素敵ですよね」
「ありがとうございます。優太さんもです」
「いえいえ。またお会いできますか?」
「はい、もちろんです」
そう言ったものの、綾乃から二度目のデートの誘いが来るわけでもなく、具体的な日程が決まるわけでもなく…。ただお礼を言い合って、デートは終わってしまった。
― あれ?ダメだったかな。
そう思い、少し肩を落としながら僕は帰路についた。
そして初デートから2週間後。もう一度、会いたかったので自分から綾乃を誘ってみた。
彼女はOKしてくれたので、次は土曜の17時から会うことになった。
「お久しぶりです」
座っていた椅子から立ち上がり、やって来た綾乃にそう挨拶をすると、綾乃も笑顔を返してくれる。
「綾乃さん、お腹は空いていますか?軽く食べてもいいですし、飲んでもいいですし…もちろん、お茶だけでも!」
そう言うと、綾乃は首を大きく横に振った。
「お茶じゃなくて、飲みたい気分なので一杯飲んでもいいですか?」
「もちろんです。じゃあ僕はビールにしようかな」
そうして、お互いに頼んだもので乾杯する。意外にも綾乃は飲める口だったようで、くいくいとお酒が進んでいく。
「綾乃さんって、意外に強いんですね」
「ふふ。そうなんです。でも週末の、こういう少し早めの時間から飲むのって最高ですよね」
「わかります!背徳感があるというか、何というか…幸せな時間ですよね」
そんな会話をしながら、二人で微笑み合った。
そこから結局お互いにもう一杯ずつグラスでワインを頼み、二杯目が終わる頃になると19時近くになっていた。
「綾乃さん、お時間大丈夫ですか?」
「あ、本当だ…そろそろ行かないと」
今日17時になった理由は、綾乃が「19時から22時過ぎくらいまで予定がある」と言っていたからだった。
しかし綾乃は、行きたくなさそうにしている。
「はぁ…。もう少し、こっちにいたいな」
「聞いても良いなら、この後は何の用事なんですか?」
「実は、行きたくない会食が入っていて」
「そうなんですね。会食って、楽しい時は良いですけど、気が乗らないものもありますよね」
「なんで『行けます』って言っちゃたんだろう」
かなり嫌そうな感じを出している綾乃。その様子を見て、僕は考えた。
「会食の場所って、この辺りでしたよね?」
綾乃に前後の予定を聞いた時、恵比寿と言っていたので、今日この場所を選んだ。
「はい、恵比寿です」
「じゃあ、会食が終わって、まだ飲み足りなかったら連絡ください。僕もこの後友人と合流しようかなと思っているので、もし良ければそっちに来てもらって、また飲みましょう」
「え、いいんですか?」
「もちろんです。同期の男三人で飲んでいると思うので」
「ありがとうございます」
こうして綾乃を送り出し、僕は結局同期と合流して、恵比寿で飲むことになった。
そして3時間後。
実際に、綾乃から連絡が来た。
― 綾乃:今終わりました!もしまだ飲んでいらっしゃるなら、合流してもいいですか?
男友達二人に状況を説明すると、「今すぐ呼べ」と言われたので、綾乃に場所を送った。男三人に対して綾乃一人…という図になってしまったが、彼女は終始楽しそうに見えた。
結局、この日は気が付けば25時を過ぎてしまい、慌てて解散となった。
「優太くん、今日は帰りますよね?またすぐに…会いたいな」
しかし、帰り際にそんなことを言って来てくれた綾乃に、僕は一気に動悸が速まった。
本当は、今日このまま帰したくない。でもそんなことはできず、僕たちは次回会う約束をして解散した。
その後、自然に交際に発展した僕たち。
可愛くて綺麗で、相当モテる綾乃。どうして僕は、そんな彼女とうまくいったのだろうか…?
▶前回:デートの雰囲気はよかったのに…。33歳女が、たった2回で男にフェードアウトされた理由とは
▶1話目はこちら:「あなたとだったらいいよ♡」と言っていたのに。彼女が男を拒んだ理由
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マッチング後に女が見ていた男の言動とは?

